■『行列』への復帰が100%ないワケ

 衝撃の不倫スキャンダルから2年、少しづつお茶の間にも受け入れられつつある渡部だと言えそうだが、“完全復活”まではほど遠いようだ。制作会社ディレクターは話す。

「『白黒アンジャッシュ』で復活できた渡部さんですが、“キー局の壁”はものすごく高いと言えるでしょうね。最大の問題はキー局の番組についているスポンサーです。キー局の、かつて渡部さんが出ていた番組についているスポンサーは、ナショナルクライアントのような一流企業がズラリとならぶ。そこの人たちに、“多目的トイレ不倫”という最悪なイメージのことをしてしまった渡部さんの出演を納得させるのは極めて困難です。

 そもそも今は深刻なテレビ不況。CM単価を下げて番組のスポンサーになんとかなってもらっているような状況です。だから、間に入る広告代理店もそうですが、テレビ局の営業サイドもスポンサーを刺激することすらしたくないわけです。渡部さんを出演させるにはそれを突破しないといけないわけで、それには少なくとも、番組サイドが相当なパワーを持っていなければ、絶対に成立しないことですね」

 スキャンダル前に渡部がレギュラーを務めていた代表的番組のひとつに『行列のできる相談所』(日本テレビ系、旧『行列のできる法律相談所』)がある。同番組の総合演出を務める、日本テレビの執行役員でもあるT氏は渡部と個人的なつながりもあり、何度も渡部の復帰を画策したとも報じられてきた。しかし、『『行列』への渡部さんの復帰はまず100%ないと考えられます」と前出の制作会社ディレクターは言うのだ。

「そこには2つの“老朽化問題”があります。1つ目は、22年続く番組の老朽化、マンネリ化によるパワーダウンです。同番組は2021年10月に番組タイトルから“法律”を取ったように、現在は当初のコンセプトである法律を扱う番組ではなくなっています。島田紳助さん(66)をMCに据えて始まった法律バラエティではすでになくなっていて、ただのバラエティとなっている。

 特徴を失った番組からは客離れが顕著で、前の時間帯にやっている『世界の果てまでイッテQ』から大きく視聴率を落としてしまうんです。テレビ各局が重視する13~49歳までのコア視聴率でもそれが顕著で『イッテQ』よりも4ポイントほど落としてしまう。つまり『イッテQ』終わりで、日テレにチャンネルを合わせていた多くの視聴者が、他局、たとえば先日まで二宮和也(39)さんが主演していたTBSの日曜劇場『マイファミリー』などに変えてしまうということですよね。

 ただ、『イッテQ』は全局の1週間の全番組で最も高いコア視聴率を取る“モンスター番組”。コア視聴率が10%に迫るときもありますので、それを受けて『行列』が5%超えのコア数字を取ることはあります。それは非常に高い数字ですが、やはり“『イッテQ』の恩恵”という見方が強いですね」

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