■松村北斗が見せてくれる次の顔
松村北斗は、努力を惜しまない強い人だ。尊敬する三木孝浩監督の作品に出演するためにオーディションを受けて『坂道のアポロン』（２０１８年）で役をつかんだというエピソードは、当時ジャニーズＪｒ.として活動していた域を超えた、大きな挑戦だった。
その後も順調に出演作品を重ね『１億円のさようなら』（２０年／ＮＨＫＢＳ）では。主役の若きサラリーマン時代の役を好演、翌年には連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』（２１年／ＮＨＫ）ではヒロインの夫役という大役を、端正な顔立ちで男性らしい爽やかさいっぱいに演じた。
今回の『恋マジ』でもイケメンギャルソンを魅力的に演じたことで、さらに今後が楽しみになった。今後もさまざまな役に挑戦するだろうが、松村北斗が持っている独特な感性を活かした人物の役が見たい。
時代を創り彩るクリエイティブな仕事や、世の中のトレンドを一瞬で動かすキーマンなど、謎に包まれた業界の人物もいい。もちろん、今や定番となっている医療や警察ドラマでも、その感性が活かされるだろう。役に染まって、違う人生を生きる姿をまた見せてほしい。（文・青石 爽）
