■「オレ、もう川に遊びに行けないですよ、皆、逃げていく」

 梶原は三谷が主宰する東京サンシャインボーイズの舞台演劇出身の俳優。過去に三谷が監督した映画作品は97年の『ラヂオの時間』から現状最新作の19年公開の『記憶にございません!』まで8作品にすべて出演している、唯一の俳優だ。

 三谷のコラムによれば、河原で暗殺する描写が多かった結果「オレ、もう川に遊びに行けないですよ、皆、逃げていく」と嘆いていたという梶原だが、それだけ視聴者にインパクトを残しているということだろう。

「今回の“暗殺リスト”に出てきた俳優だけでなく、北条政子役の小池栄子さん(41)や牧の方の宮沢りえさん(49)、源義経を演じた菅田将暉さん(29)に、義時の息子の泰時に坂口健太郎さん(30)、義時の良き友人である三浦義村を演じる山本耕史さん(45)、まだ未登場ながら後鳥羽上皇に尾上松也さん(37)、源仲章に生田斗真さん(37)などなど、『鎌倉殿』は数えあげるとキリがない超豪華キャストばかりですが、意外と最後まで活躍するのは、善児かもしれませんね」

 ただ1つだけ、善児については「死亡フラグ」があるという。

「山本千尋さん(25)が“善児に育てられた孤児のトウ”という役で出演するんです。トウはくだんの第24回で殺害現場に居合わせた際、なぜか善児が情けをかけたのか手を下さずに終わった。この手の冷酷な殺し屋が善行を働くという行為は、よくある“フラグ”ですよね。

 公式でも《静かな覚悟を抱きながらも志を受け継ぎ、鬱憤と恩愛の迫間(はざま)で生きる》《狙うのは何か……》とされていて、善児に従うフリして命を狙っているのでは、と考察する視聴者もいます」

 これからもアサシン善児の活躍が見たいような、怖いから見たくないような……。

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