■誰も応援していない恋

 第59話では、倒れた智のため、和彦と暢子は沖縄県人会の人々と食品の配達を手伝っていたが、和彦は愛と食事をすることを忘れていた。和彦は約束を忘れていないと訴えるが、愛は彼が暢子と会っていたことを見抜いている様子。

 そこで愛は、両手を広げて和彦に抱擁を求める。そのとき、暢子がやってきて、2人が抱き合ってキスをしようとする姿を目撃してしまう。和彦と愛が恋人同士であることを、改めて思い知った暢子は、動揺して立ちすくんだ。

 和彦は6年も愛と交際し、彼女の両親とのあいさつも済ませているのに、暢子に想いを寄せる智に嫉妬するとは、マリッジブルーでは言い訳にならない身勝手さだ。一方、智も、暢子の気持ちを確認することなく、一方的に結婚することにしていて、男の異様な身勝手さばかりが際立った。

 当の暢子は「結婚より仕事」だと何度も言っていて、“フォンターナ”での仕事も充実している。2人の行動や言動は、そんな夢を追う彼女を結果的に邪魔しており、視聴者のほとんどが、この恋愛を応援していない。

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