■釈が演じたのは「無実(?)の殺人犯」だった

『仮面ライダーキバ』は08年放送の瀬戸康史(34)主演の作品。『ジオウ』には瀬戸の出演は叶わなかったが、松田賢二(50)が当時と同じく狼のような姿の怪人“次狼(じろう) / ガルル”として、そしてヒロインの1人だった高橋ユウ(31)が別人役でカメオ出演していた。

 しかし、なぜか『キバ』とは無縁のはずの釈が『キバ編』のメインゲストとして出演。「過去の殺人事件の冤罪で服役していたところに目を付けられ、怪物“アナザーキバ”にされる」「自分を無実に出来なかった人物を襲撃する」というキャラクター……ということになっていた。

 また、「おもちゃ販促のスケジュール」という大人の事情なのか『キバ』どころか歴代レジェンドライダーとは一切関係ない謎の『仮面ライダーギンガ』(声:杉田智和)がかなり無理やりにストーリーにねじ込まれるなど、いろいろと混迷を極めていた回だったことで知られている。

■結果的に「マンホールを振り回す謎の女」を演じる形に

「怪人態ではなく生身の釈さんがマンホールのフタをフリスビーのように投擲したり、盾代わりにしたりとやたら多用するという強烈な姿を披露。

 さらに、実は“自分でついたウソを本気で信じ込んでしまう”という異常者で冤罪ではなく本当に恋人をマンホールのフタで撲殺して笑っていたことが明らかになったり、逆恨みの復讐相手が結婚式を行う教会へ、やはりマンホールのフタを片手に襲撃をかけたりと、とにかく視聴者に二度と忘れられないインパクトを与えたんです。

“原点を台無しにされた!“と嘆くファンも多かったものの、脚本を担当したのが本家『キバ』のメインライターで特撮界隈では有名な井上敏樹さんだったこと、”『キバ』の雰囲気は再現できていた気もする“という声もあり、いろいろと複雑な評価の回でもありますね。

 ちなみに、本家『キバ』にマンホールのフタはおろかフリスビーや盾系の武器はいっさい出てきません(笑)」

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