■松潤のインタビューが韓国で誤解されて伝わったワケ

『ジャニーズの正体』(双葉社)などの著書があり、ジャニーズに詳しい社会学者の太田省一氏は2020年11月配信の『文春オンライン』の取材を受け、松本の発言の真意を以下のように推測している。

<ここで松本さんが話していることは、ジャニー氏がジャニーズを立ち上げた当初はメジャーな存在ではなかった男性アイドルグループの概念が、広く受け入れられるようになった功績を称えたいという気持ち。嵐のコンサートの演出も担当し、プロデューサー的な視点を持っている松本さんが、アジア全体のエンターテインメント業界を包括的な視野で語ったことが、韓国で誤解されたのではないでしょうか>

ジャニー喜多川氏(享年87)は早くからボーイズグループを手掛け、アジアのエンタメ産業の発展に寄与してきたことは間違いありません。

 今ではK-POPが世界を席巻していますが、歴史を振り返れば、日本のアイドルと韓国のアイドルはそれぞれ切磋琢磨するように成長を続けてきたといったことを松本さんは20か月前のインタビューで言いたかったのではないでしょうか。それが誤解されて伝わって、炎上してしまったということでしょう」(前出の女性誌編集者)

■嵐も活動休止前に海外を強く意識していた

 ジャニー氏の悲願は海外でも活躍できるアイドルを育成することだった。嵐も活動休止を前にアメリカでMV撮影を行ない、海外のミュージシャンをチームに入れ、全編英語詞の楽曲をリリースするなど海外を強く意識した展開をしていた。

「コロナ禍で思ったような活動ができませんでしたが、松本さんをはじめとするジャニーズタレントは今後より強く世界を意識した活動をしていくはずです。

 BTSの大躍進がトラジャを含めたアジア発のボーイズグループを受け入れる土壌をアメリカにつくり出してくれ、トラジャが『AGT』で高評価を得ることにもつながったと言えそう。

 そして、松本さんが20か月前のインタビューで語った言葉の中には、J-POP、K-POPと分けるのではなく、“みんなで、アジアで成功する”といった思いもあったのではないでしょうか。

 そう考えると、ジャニー氏の想い、BTSの躍進、今回のトラジャの活躍はすべてつながっているようにも思えてきますよね」(前同)

 アメリカで武者修行に励むトラジャは、BTSに続くアメリカを席巻するアジアのボーイズグループになることができるのだろうか!?

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