■スターバックスやワークマンも

 ただ、大手スーパーでも、今後は一部商品に値上げが見込まれているようだ。

「原材料費が高騰している、マヨネーズや、冷凍食品類が顕著です。この2つは安く買える機会があれば、見逃さないようにしましょう。一方、パンや牛乳などの加工品は、プライベートブランドが依然として安価。買って損はありません」(丸山氏)

 夏本番を迎えて、これから、ますます購入の機会が増える飲料品では、幸いなことに、一部で値下げの動きが見られた。

「米国発のカフェチェーン『スターバックス』は、植物性ミルクを使用したソイラテなどの3つの商品を、各サイズ12〜16円値下げをすると発表しました。また、飲料メーカーの『伊藤園』は、“お〜いお茶”などの飲料基幹アイテム4品を、525ミリリットルの価格のまま600ミリリットルに増量するという、実質的な値下げに踏み切っています」(流通業界紙記者)

 一方、衣料品では、『ワークマン』が2月に、全売り上げの62%を占めるプライベートブランド製品の価格据え置きを発表した。

「低価格ファッションの王者であるユニクロですら、素材や物流費の高騰を受けて、6月に秋冬商品の値上げを発表しました。そんな中で、ワークマンが価格据え置きを発表したのは、インパクトが大きいですね」(前出の和田氏)

■首都高速料金の値下げ

 最後は意外なところで、首都高速料金の値下げだ。

「4月1日から、首都高料金が改定。日中の渋滞解消のために、深夜割引が適用されるようになりました。ETC利用を条件に、深夜0〜4時に首都高速の入り口を通過した車両は、料金が20%オフになります」(交通ジャーナリスト)

 ここまで紹介した企業をうまく利用すれば、“値上げの夏”のダメージを抑えることができるのでは? ただ、和田氏はこう付け加える。

「値下げや価格維持のためのコストカットで、企業が働いている人たちに無理を強いていたら本末転倒です。すでに低価格を維持するのが難しい現状なので、今後は、消費者側も、ある程度の値上げを許容する覚悟が必要だと思います」

 企業にも消費者にも厳しい物価高。寛容な心で、この地獄を乗り切りましょう!

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