■「会長特命プロジェクト」で伝統の『紅白』も打ち切り対象に

 みずほフィナンシャルグループ会長を経て、2020年1月にNHK会長に就任した前田氏は「会長特命プロジェクト」チームを立ち上げ、局内や番組の改革を急ピッチで進めているとされる。

 その結果、視聴率は決して悪くなかった長寿番組『バラエティー生活笑百科』や『ガッテン!』がこの春に終了。『ガッテン!』の突然の終了に、長年にわたって司会を務めた落語家の立川志の輔(68)が激怒したという報道もあった。

 2021年12月の『週刊文春』(文藝春秋)では、前田会長は『紅白歌合戦』さえも見直しの対象にしており、紅組と白組を分けたり、優勝旗を渡すシステムを廃止するべきだと言及していたほか、ある幹部に「『紅白』を終わらせる」と話していたとも報じていた。

 5月10日発売の『文藝春秋』(文藝春秋)にはNHK職員有志一同による「前田会長よ、NHKを壊すな」と題したリポートが掲載され、前田会長が『紅白歌合戦』の打ち切りを検討しているとあらためて伝えられた。

■『紅白』打ち切りを「まったくの虚偽」と前田会長は否定も

 同月12日に定例会見を行なった前田会長は『紅白』の打ち切りについて「まったくの虚偽」と否定し、「終わらせないか続くかはこれから考えるが、終わらせると言ったことはない。それは虚偽報道。少なくとも『紅白』をやめる、打ち切るとか言ったり、指示もない」と続けた。

 また、「そういう指示はないが、番組は常に見直したほうがいい。すべての番組についてマンネリはやめたほうがいい」とした。

「ご自身で発言したように、現実的には『紅白』を終了させることはないはずです。ただ、前田会長はかなり大掛かりな改革に取り組もうとしていて、職員からも反発は出ているということでしょう。物凄い批判が出てしまっている前田会長ですが、癒着やなれ合いをとにかく嫌い、物事をとにかくフラットに見る人。やり方はあまりに強引ですが、その手腕を評価する声もあります。

 そんな中、伝統ある『紅白』も忖度なしに改革しようとしているとみられており、その1つが“脱ジャニーズ”だと言われています。その一端が垣間見えたのが『ライブ・エール』だったわけです。今年の『紅白』では“ジャニーズ枠”がガクンと減る可能性もありそうです」(前出の芸能プロ関係者)

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