■「BPOさん、どうお考えですかね?」と問いかけた松本人志

 お笑い界のトップ・ダウンタウン松本人志(58)が、そんな状況に苦言を呈したことも記憶に新しい。

 5月15日の『ワイドナショー』(フジテレビ系)では、同月11日に急死したお笑いトリオ・ダチョウ倶楽部上島竜兵さん(享年61)の芸をまとめたVTRを流して追悼。

 ここで、松本は言葉を詰まらせながら「ダチョウ倶楽部の芸とかお笑いがテレビではやりづらくなってて。そういう思いとかジレンマとか、“痛みを伴う笑い”がダメと言われてしまうと、熱湯風呂とか熱々おでんとかもできない」とコメント。

 続けて「僕はあの芸が有害なんてちっとも思わないし、それだけが理由とは思わないですけど、“BPOさん、どうお考えですかね?”と、ちょっと思いますね」と投げかけたのだ。

「そんな松本さんの提言もあったわけですが、ここにきてハリセンをNGとせざるをえない現場も出てきたわけです。そうなってくるといよいよ、『絶対に笑ってはいけないシリーズ』(日本テレビ系)も、復活の機会もないまま、シリーズが終わってしまう可能性もありそうですよね……」(前出の制作会社関係者)

■ケツバット、タイキック、ビンタ……

 2006年から15年にわたって放送され、大みそかの風物詩となっていた『笑ってはいけない』は、ダウンタウンの松本と浜田雅功(59)、月亭方正(54)、ココリコ田中直樹(51)と遠藤章造(51)の5人が24時間「笑ってはいけない」というルールを課され、笑ってしまうたびに罰ゲームとして「ケツバット」を食らうという内容で、2010年から11年連続で、大みそかの民放1位の視聴率を記録していた。

 ところが、2021年の放送を休止すると同年9月に日本テレビが発表。その前月に放送倫理・番組向上機構(BPO)が「痛みを伴うことを笑いの対象とするバラエティ」を審議対象と公表したため、これが休止の原因ではないか、ともささやかれた。

「BPOは番組を特定していなかったとはいえ、“痛みを伴うことを笑いの対象とするバラエティ”と聞いて、真っ先に想起されるのが『笑ってはいけない』ですからね。ケツバットに加え、タイ人ボクサーから田中さんがケツにタイキックを受け、プロレスラーの蝶野正洋さん(58)から方正さんがビンタを食らう、という流れも恒例になっていました」(前同)

 しかし、同9月に松本がツイッターで「コロナ禍において【笑ってはいけない】の収録は難しいと去年つよく感じました。クオリティーを下げてまで番組を続けるのは楽しみにしてくれている方々に対して尻より心が痛いです」と、コロナ禍で休止となったとも説明していた。

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