■統一教会関連のキャスティング会社が関与か

 2016年6月の『週刊新潮』(新潮社)は、同年3月の『ナゼそこ』に登場したウクライナに住む日本人女性とウクライナ人の夫が旧統一教会信者だと指摘。中米コスタリカで高齢初出産をした日本人妻が統一教会の宣教師であることや、西アフリカのブルキナファソで4人の子どもを育てる日本人シングルマザー、中東ヨルダンで難民のためのボランティア活動をする日本人女性も信者だと報じていた。

 番組を見た多くの信者たちが、自身のSNSなどで“仲間”の海外での活躍ぶりを称賛するなど、『ナゼそこ』が、信者向けの宣伝材料になっていたとされる。

「『ナゼそこ』の制作には、旧統一教会の息のかかったキャスティング会社が入っていたと言われています。そして、それを知っていたのは番組上層部の一部とキャスティング担当のスタッフぐらいだという話で、MCのユースケ・サンタマリアさん(51)や新井恵理那さん(32)はもちろん、その他の番組スタッフも裏側には関知していなかったと見られています。

『ナゼそこ』自体が統一教会系を喧伝するための番組だったわけではなく、海外の日本人ネットワークに強いキャスティング会社などがあり、番組サイドとしては使い勝手がよかった、というのがリアルなところではないか、と見られていますね」(前出の制作会社関係者)

■「実に多くの報道機関が密接に関わって来た」

 当時のテレビ東京社長・高橋雄一氏(70)は、2016年6月の定例会見で「あえて特定の宗教関係者を取り上げる趣旨はない。特定の宗教を広めることに加担するような番組を作らないことが大前提だ」とコメントしていた。

「まぁ、結果的には旧統一教会の信者に対する宣伝に加担してしまっていたことになりそうですがな……。ただ、大問題なのは、こういったキャスティング会社や制作会社はテレ東に限らず、複数の局の仕事を担っていた可能性が高いということです。キャスティングだけを専門の会社にお願いすることも少なくありませんからね。

 今回は『24時間テレビ』が名指しでその関係を明らかにされたわけですが、今後もどんどん出てくることが予想されます。特にバラエティ番組、さらに言えば、『ナゼそこ』のような海外もののバラエティ番組が危ないと見られていますね……。

 旧統一教会の第1弾の発表でも“実に多くの報道機関が密接に関わって来たことは疑いようのない事実です”と説明していましたからね」(前同)

 テレビ東京の『ナゼそこ』のような“爆弾番組”が、連日にわたって統一教会の問題を取り上げ、指摘しているテレビ各局に眠っているのだろうか――。

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