■エンディングに向けて感動の場面が連発

 前出の制作会社関係者が続ける。

「これまで日本テレビでは『情報ライブ ミヤネ屋』を中心に、連日にわたって旧統一教会の問題を取り上げていましたからね。ただ、こういった指摘を受けても日テレの姿勢は揺るぎませんでした。

 28日早朝には『news every.』の藤井貴彦アナウンサー(50)、『真相報道 バンキシャ!』の桝太一さん(40)、『シューイチ』の中丸さんなどが出演するニュースのコーナーがありましたが、ここでもスルーすることなくしっかりと旧統一教会の問題を取り上げていましたからね。日テレはだいぶ“攻めた”とも言えるのではないでしょうか」

 28日の夕方以降は、ロシアの軍事侵攻を受けているウクライナから日本に緊急避難してきたバレリーナ、ネリア・イワノワさんとX JAPANYOSHIKIのコラボ、2年前から手足を動かなせなくなった10歳の少女への密着取材、車いすの少年と『ジャにのちゃんねる』のフォーメーションダンスなど、感動の特集が続いた。

「エンディングでは年内でのコンサート引退を発表している加山雄三さん(85)の最後の『サライ』熱唱もあり、最後は感動のラッシュでしたよね。そんな中でも大きな感動を生んだのが兼近さんの手紙ではなかったでしょうか」(前同)

■母親に親孝行するためチャリティーランナーに立候補

 今年の番組のテーマは「会いたい!」ということで、兼近は「会いたい人」として母親の照美さんの名前を挙げていた。照美さんは離婚後、昼は工場、夜はスナックと仕事を掛け持ちしながら兼近と妹を女手一つで育て上げたという。

 兼近がチャリティーランナーに立候補したのは「僕が走ることで貧困・差別などの社会問題に気付くきっかけになれば」という理由とともに、苦労をかけた母親に親孝行したいという思いからだった。

 会場の国技館には照美さんが登場し、兼近が懸命に走る姿を出演者とともに見守ったが、19時頃には兼近が、かつてはがんを患ったこともあるという照美さんに宛てた手紙を羽鳥慎一(51)が代読する場面があった。

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