■『純愛ディソナンス』との大きな違い

 愛菜美(比嘉愛未/36)は夫の正樹(中島裕翔)の気持ちを独占するために、冴(吉川愛/22)を執拗に邪魔し続ける。冴の母親、静(富田靖子/53)は強烈なまでの毒親。路加(佐藤隆太/42)は、正樹の義理の父、碓井(光石研/60)への復讐のため、ビジネスで強烈な罠を仕掛ける。出ている人間がみんな嫌なやつで、トラブルが常に同時進行している状態なのだ。

 しかし、その『純愛ディソナンス』は視聴率が3%台が続く低空飛行、Tverランキングでもふるわないと、あまりにドロドロな内容が視聴者に嫌われたかっこうだ。家族、恋、仕事と、薄味ながらも穏やかな展開を見せた『ユニコーンに乗って』とは、内容も結果も好対照となってしまっている。ひょっとすると猛暑続きで疲れてしまい、人々が薄味志向になっていたのかもしれない。

 もちろん、好き嫌いは個人によって異なるだろう。しかし、夏ドラマに限っては、薄味でちょうどいい『ユニコーンに乗って』が、多くの人に支持されたことは間違いない。(板橋六郎)

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