■家康・小澤征悦は歴史に囚われた臆病者のようだ

 一方、家康は自分しか信じることができず、恐怖心で人を支配しようとする。その心理を探ってみると、まるで臆病者のようではないかと感じてしまう。歴史を知り、裏切ることなど当たり前の世の中で、功績をおさめ成功した血を受け継ぐ者としての自信が、そうさせているのかもしれない。

 しかし、時は2122年。時代を超えて一同に集結した戦国武将(のクローン)たちに、個の力では勝っても、敵の数が多かったらどうなるのか。それは、武田信玄満島真之介/33)が身をもって教えてくれた。自分の生き方に決着をつけるかのように、燃え盛る思いをぶつけて家康と対峙するが、またもボコボコにやられてしまう。

 それでも今回は爪あとを残した。きっと戦う前から自分一人では勝ちきれないと悟っていたのだろう、家康の右足に痛みを残すことに成功したのだ。次の誰かのために痛手を負わせ、思いを託すのは団体戦の戦い方だ。きっと誰かが倒してくれるという信じる力、それは上杉謙信犬飼貴丈/28)が助言した「誰かのためにたたかってみたらどうだ」にヒントがあっただろう。「人は城、人は石垣、人は堀」、“誰か”とは共に戦う人たち。仲間を信じる力は強いのだ。

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