■大注目の兄弟力士

――続いては兄弟力士に注目したいと思います。3月の春場所では、新関脇・若隆景(27)が新関脇の場所で初優勝。目下「大関獲り」が期待されていますが、このところ力をつけてきているのが、兄の若元春(28=前頭6)です。

錣「このところ」というより、彼は前から力がありますよ。左四つという型があるし、最近は突っ張りも繰り出すようになった。体のバランスもいいし、185センチ、139キロの体はバランスが抜群。相当トレーニングを積んでいることが分かります。私も今もっとも期待していますし、この先、大注目の力士と言っていいでしょう。

■高安の課題は「相撲が遅い!」

――第二子誕生も重なって、場所前、積極的に出稽古に行くなど、前向きな姿勢が伝わってくる高安(32=前頭4)は、いかがでしょう?

錣 一生懸命やっている姿勢は分かります。ファンの方の間でも、「一度、優勝させてあげたい」という声が上がっているそうですね。ただ、彼は相撲が遅いんです。「ここで出なきゃ」というときに攻めない、つまり勝機を逃している。そうこうしているうちに、相手力士の体勢がよくなってくるというパターンは、非常にもったいないですよね。

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