■永野芽郁無双の時代がくる?

 しかし、最後の最後で永野芽郁は見せてくれた。佐奈のキャラ設定上、想いが通じてはしゃぐことはナシ。しかし、静かでありながら幸福感が十分すぎるほど伝わってくる、技アリのラストシーンを見せてくれたのだ。それまでの出演作から考えると、驚くほどの成長ぶりと言える。広瀬すず(24)や橋本環奈(23)ら、同世代の若手女優たちが、明るくかわいい娘さんイメージからなかなか抜けきらないことを考えれば、頭ひとつ抜けた感じだ。

 視聴率的には世帯平均で最高が8.7%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)と地味めだったが、永野芽郁的には、俳優としてのターニングポイントとなった作品なのではないだろうか。まだ22歳ながらくっきりした顔立ちなこともあり、年齢が高めな役もうまく演じられそうだ。ひょっとすると、未来の大女優が誕生した瞬間を、目撃してしまったのかもしれない。(板橋六郎)

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