■重忠の生首シーンは描かれるのか

 重忠について、中川は『鎌倉殿』公式サイトのインタビューにて、

《僕と重忠がリンクするのは、たくさんの先輩たちやつわものたちと、「俺だって負けないぞ」「刀を抜いたら俺のほうが強いんだ」っていう自信や信念を持って、いかに飲まれないように戦えるかっていうところだと思うんです。そういう緊張感は演じるうえでも大切にしているつもりです》

 としているが、その緊張感が小栗演じる義時とのやり取りに繋がっているのだろう。

「それだけに怖いのが、どこまで重忠の死が描かれるかです。重忠は討たれるわけですが、その首を持ち帰られて、生首を見た義時が大変なショックを受ける、という出来事があったことが『吾妻鏡』に記されている。ファンの間では、重忠がおそらく討たれることになる9月18日放送の第36回が“コワくて見られない”といった声も上がっています」(前出の専門誌記者)

■「大河史上あまり例を見ないシーン」が待ち受けている

 義時は、討伐軍を差し向けた執権である父の時政に戦いの様子を尋ねられて、

「重忠の弟や親類は他所へ赴いていた。従っていたのは僅かに百騎ほど。

 重忠が謀反を企てたというのは虚言である。讒訴(※ざんそ/でっち上げを意味する)によって征伐されたのでは不便極まりない。

 首実検で重忠を見たとき、涙を止めることができなかった」

 と話し、時政は何も言えなかったと言われている。

「この重忠の件で、完全に義時は時政と対立する覚悟を決めるのかもしれません。時は序盤は“憎めないポンコツお父さん”という感じでの描写でしたが、この数回の放送回では、妻のりくとともに周囲に致命的な禍をもたらす存在となっている。

 重忠の本当に、鎌倉のためを思うなら、あなたの戦うべき相手は…”“あなたは、わかっている”という言葉が、最後の後押しになるんでしょうね」(前同)

 史実によれば、時政とりく(牧の方)は、謀略をめぐらせて、娘婿の平賀朝雅を源実朝に代わる新将軍に擁立しようとするも、失敗。この通称『牧氏事件』で失脚し、鎌倉から追放された時政と牧の方は、そのまま二度と表舞台に戻ることなく、時政は追放先の伊豆で死亡、牧の方は京都に流れて生涯を終えることになる。

 今後について中川は「生中継スペシャル!ニッポン『今』つないでみたら~夏の思い出2022~」にて「鎌倉殿史上、大河史上あまりないようなシーン」が待ち受けている、と意味深すぎるコメントをしている。

 残念ながらまた1人、熱い男が舞台から去ることになりそうだー-。

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