■坂上が語る「テレビをダメにした一番の要因」とは何か

 このような人気番組がある一方で、昨今のテレビ離れが嘆かれている現状についての考えを聞かれた坂上は《圧倒的に変わったなと感じられるのは、その流れやルールに抗ったり、戦う人間が減ったということ。これがテレビをダメにした一番の要因だと思いますね》と指摘。

《僕は「若い人は戦え」とも言うけど、この業界で本当の意味で戦わなくちゃいけないのは中高年の方だと思うんですよ。若い人たちに煙たがられてナンボ。上司にも疎まれながら、ギリギリのところで抗わなきゃ。そうして若い人たちに「戦う隙間はどこかにあるはずだ」って成功例を示してあげないと。》

 と持論を展開。

「坂上さんは名前こそ出しませでしたが、最近の分かりやすい例として、TBSの『ラヴィット!』がありますよね。麒麟川島明さん(43)が徹底して“時事ネタをとりあげるワイドショーは絶対にやらない”と意見を曲げず、そのスタンスを貫いた結果、朝から芸人が大喜利を繰り広げるバラエティ、という新しいスタイルを浸透させた。朝の帯番組は情報番組かワイドショー、というそれまでの常識を打ち破ったんです」(キー局関係者)

 また、坂上は自身がMCを務めてきた『バイキング』について「“生ネタ”の難しさ」について問われた際には、

《難しさというよりも、出演者が勝手に自分でやりにくくしてしまうことはありましたよね。

 スタッフから言われてもないのに「生の情報番組だから、ここまで言ったら迷惑がかかるかな?」といった自主規制っていうんですかね、自主規制をするのはテレビ局の判断だから勝手にやればいいんですよ。だから出演者は無責任に腹を括れたら、そんな難しいことはないのかなって》

《ありがちなのが、話を振って、最初は威勢よく持論を語る。これで終わればいいんですけど、その意見にハレーションが起こるのを恐れて、自分で自分をフォローし始める。それだと尺が倍かかるわけですよ。》

 と、忖度や自己保身を図るタレントに苦言を呈した。

■「批判されるのもギャラのうち」

 そのうえで坂上は、ある話題についてスタジオでの意見が「10:0」となっているときに、0側に回って意見できることを《いびつな形であれ番組を成立させるためならそれができる》と自身の強みを語り、

《やっぱり出る側の人間は言われてナンボと思ってなきゃ。ビビッてちゃダメですよ。それも含めてギャラのうちなんですからね(笑)。》

 と、豪胆に締めた。

「実際『バイキング』は、毎度のように坂上さんや誰かしらの発言が炎上していましたが、それを楽しみにする視聴者も珍しくなかった。討論が荒れないということは、逆に言うと無難な発言しか出ていないということでもある。これに関しては、同じくフジテレビでワイドショー番組のMCをやっていて、やはり番組が炎上しがちな『ワイドナショー』MCの松本人志さん(58)も、同様のことを話していたことがありました」(前同)

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