■「干した」はデマだが「大恩人」なのは真実

 実際のところどうだったのか。

 16年放送の『ダウンタウンDX 2時間スペシャル』(日本テレビ系)で、堺が語っていたところによると、当時オラオラ系で「おいマチャアキ!」と接してくるヒロミをみて「そういう後輩がいるってことはイヤなことじゃなかった、楽しかったの」と振り返り、「ヒロミがね、スッと神隠しにあったかのようにいなくなったの、その当時。それで、ちまたの噂、業界の噂は全部僕のところにきて、“堺さんが、ヒロミを干したんでしょうか?”って」と熱弁。

「で、あんまりそういうふうに言われるんで、最初は“いやいや、僕じゃないよ”って言ってたんだけれど、ふっと考えたら、タレント一人の力で、タレントの職業生命を奪うことができるって、“俺すごいんだな”って」

 と面白がり、しばらく「ご想像にお任せします」と答えて遊んでいた、というのが真相だと明かしている。

「実際のところ、堺さんはヒロミさんにとって大恩人。ヒロミさん自身が、17年の『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)で自分の厳しいツッコミスタイルが世間に受け入れられなくなり、04年ごろに出演番組が続々と終了した時期、救ってくれたのは堺さんだったことを明かしています」(前出の専門誌記者)

 当時のヒロミは思い切ってニューヨークの大学へ留学しようと考えており、周囲は賛成していたが、堺だけは「ダメだよ、逃げちゃ! 今から大学に行ってどうするの? 絶対にダメ。日本にいなさい!」と猛反対、その真摯な姿に胸を打たれたことで留学は中止。「あのとき、堺さんが止めてくれなかったら、今の俺はないし、とても感謝しています」と語っていた。

■若林にも尊敬されている

 また、意外なところではオードリー若林正恭(43)とのエピソードもある。堺の個人事務所は若林の所属事務所から派生した形であることから、2013年の新年会で若林は堺にあいさつをしたのだが、その後10人ほどの若い女性アイドルたちが一人ずつ自己紹介を始めたため、長居するのを面倒がった若林は、こっそり抜け出したという。

 しかし、堺が「アイツ、どこ行ったんだ? 連れ戻して来い」と周りに伝えたことで若林は捕まり、「すみません、挨拶したらすぐに席を外したくってですね」と素直に謝罪したところ、気に入ってもらえたという。

 その翌年の新年会では、堺に直々に呼び寄せられた若林が、「『世界一受けたい授業』の(堺の)進行がすばらしいですね」と話すと堺はすかさず「お前ゴマするのが下手くそすぎるぞ。10年前ならぶっ飛ばしてるぞ」と冗談交じりに注意されたが、「今が大事な時期だ。試金石として試されているんだからな」とアドバイスもしてくれたことを、14年1月の『オードリーのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)で明かしている。

「今回の『ダウンタウンDX』もそうでしたが、堺さんはときおりおっかない一面を見せることで後輩に威厳を見せつつ、本当に窮地の時や大切な時期には助けてくれる、ということですね。単に“怖い”だけでは、ここまで成功することはない。やはり、人としての器がケタ違いなんじゃないかな、と思えます」(前同)

 改めて「巨匠マチャアキ」の「星3つ」ぶりを感じさせる夜だったー-。

『ダウンタウンDX』(読売テレビ制作/日本テレビ系)

https://www.ytv.co.jp/dtdx/

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