■世界中で穀物争奪戦が起きている

 荻原氏は、値上げラッシュはロシアによるウクライナ侵攻が影響していると話す。

 2022年5月12日、アメリカのラーム・エマニュエル駐日大使が読売新聞に寄稿した『飢えに棄権はない ロシアと中国が広める食糧不安と債務のわな』というタイトルの記事では、〈ここ数か月で中国政府は、世界在庫の半分以上の穀物を買い占め、価格をさらに高騰させている〉と、中国政府による穀物買い占めが指摘されていた。

「ロシアとウクライナの戦争が続くなか、中国が穀物を買いまくるなど、世界中で穀物争奪戦が起こっています。モノが少なければ、値段が上がっていくのは必然的です。

 今年8月に日本政府は小麦の価格据え置きを決定したので、しばらくは落ち着きを見せるでしょう。ですが、今後の値上げに備えて乾麺のような長持ちする製品なら買っておいてもいいのではないでしょうか。ただ、穀物の中でもお米は国内で十分賄えているので、年始のお餅も大丈夫かと思われます。ただ、お米(新米を除く)以外はほとんどの製品が値上げされると考えたほうがいいですね」

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