■湊斗が明かした本音に視聴者はボロ泣き

「悲しいのは、“無視すんなよ”のセリフです。泣きながら紬の家を出ていく湊斗の脳裏によぎったのは、高校時代の帰り道に想がふざけて“聞こえないふり”をして、“無視すんなよ(笑)、想!”と湊斗が名前を呼ぶと振り返ってお互いに笑いあう、という光景。この過去と現在の対比は、非常に切ないシーンでしたね。

 これに限らず『silent』は似たシーンやセリフを対比させる演出が秀逸なんです」(前出のテレビ誌編集者)

 極めつけが、ラストシーン。心配して追いかけてくる恋人・紬に湊斗は、

「簡単に受け入れられないこといっぱいある! すんなり受け入れて、手話まで覚えて。ふつうに顔見て話して。すごいよね。すごいよ……紬、想の方がいいんじゃないかって。盗られるんじゃないかって」

 と畳みかける。これに紬は明確に恋愛感情を否定しようとしたのだが、湊斗がここで紬に本音を明かした。

「そう思って、そういうこと気にしてイライラしてる方が、楽だったから!」

「友達の病気受け入れるよりずっと楽だったから…… 振り返ってほしかっただけなのに」

 そう膝を抱えて泣き崩れる湊斗に紬は何も声をかけられず、3話は終了した――。

「恋愛」もあるが、それ以上に「友情」が原因で苦しんでいたという真意が明らかになり、ドラマ視聴者からは、

《第3話、湊斗の想いが語られるシーンが全て泣けてしまうから、映像無しでもボロ泣きしてしまっている。セリフだけで泣かされてしまう。》《湊斗くんの、何で俺に言ってくれなかったのって予告の時は紬のことだと思ってたけど違った〜〜🥲嫉妬じゃなくて力になりたかっただけだった相談して欲しかっただけだった ボロ泣き 》《silent第3話、最後爆泣きしたし目黒くんも鈴鹿くんも演技上手くてひきこまれる》

 と、湊斗や演じる鈴鹿に対する称賛の声がSNSに多くあふれたのだ。

 2019年には『蜜蜂と遠雷』で映画賞の新人賞を総なめ状態にしたこともある鈴鹿。まだ俳優デビュー3年あまりの彼は今、『silent』での日本中を泣かせまくっている――。

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