■平野の演技に漂う「哀愁」と「陰」

「しかし、まだ1話。今後に期待する声も少なくないですし2話以降に期待したいですね。

 くわえて、本作は主人公の平野さんの演技は本当に素晴らしかった。平野さんはこれまで、“ヘタレだけどやる時はやる男”みたいなキャラを演じている印象が強いですが、今回は“役者・平野”にとって新境地となりそうです」(前出のテレビ誌編集者)

 平野演じる“黒崎高志郎(くろさき・こうしろう)/クロサギ”は「過去に父親が詐欺師に騙されて無理心中に巻き込まれ、一人だけ生き残った」という悲惨な経歴がある。第1話の時点で平野は「ホント、何のためにだよねー。被害者一人救えないのに……」という何気ないつぶやきをするのだが、ここにも過去に何かあったのを想像させる、飄々としたなかに“陰”を感じさせる二面性を見事に表現していたという。

 また、ラストシーンでも「こんなふう(詐欺)にお金を取り戻して、それで喜ぶ人間にはなりたくない」と意見を曲げない氷柱に対して、

「吉川さんはそう思って生きていったらいいよ。それで済むなら、幸せな人生なんだから……」

 と哀愁を帯びた笑顔で言い放つ場面は、「実体験に基づいて言っているようにしか見えないものだった」(前同)という。

 ちなみに10月24日発売の『月刊ザテレビジョン』(KADOKAWA)には放送前に収録したインタビューが掲載されているが、平野によると第3話以降どんどん大掛かりな詐欺が展開していくとのこと。

《僕自身も『え、もうここまでいっちゃうの? 最終回じゃないよね?』と思ったくらいポンポンお話が進んでいきます。驚きますよ(笑)。

 詐欺だけでも飽きない展開なのですが、その中でさらに人間関係が入り組んでいくところも、これからの見どころになっていくと思います》

 まだまだ不安な様子の黒島を支える平野。第2話以降も、素晴らしい演技を期待したい!

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