■撮影現場では平野の心の支えにもなっている
その一方、井之脇の場合はキャラの方向性の違いが功を奏したという。
「井之脇さんが『ちむどんどん』で演じていたのは、暢子の先輩でぶっきらぼうだけど根はやさしい料理人・矢作でした。幸いにも今回の神志名とはイメージがまったく違うキャラ。
くわえて『ちむどんどん』と同時期のドラマ『石子と羽男―そんなことで訴えます?―』(TBS系)の第3話(7月29日放送)でも、“反省の色がなかったのが徐々に追い詰められていく犯罪者”と、ネガティブなイメージのキャラを演じていたので、そういう意味でも今回の“正義の警察官”は最近の役のイメージと被らない。
視聴者も特段『ちむどんどん』を思い起こすことなく、新鮮な気持ちで観れるんですよね」(前出のテレビ誌編集者)
そんな井之脇と主演の平野は、2021年8月21日放送の『24時間テレビ44 ドラマスペシャル 生徒が人生をやり直せる学校』(日本テレビ系)で1度共演したことがあるが、それが現場の空気の良さにつながっているようだ。
10月24日発売の『月刊ザテレビジョン』(KADOKAWA)のインタビューで、平野はこう話す。
《そんな平野をホッとさせてくれるのは、クロサギを追う刑事・神志名将役の井之脇海なのだとか。
「井之脇くんは同世代だし、初めましてではないので、現場で一番喋っている俳優さんかも。何か、しゃべり掛けたくなっちゃうんですよね(笑)。僕が何を言っても笑ってくれるし、優しいんですよ。話していると気が休まる。とはいえ、役では詐欺師と刑事。お互い敵視していて、やりとりもバチバチ。でも、裏では和気あいあいという(笑)。
でもね、そこで役についても話し合いもちゃんとしているので、いい関係性だと思いますよ!」》
「仲良しの同世代コンビは今後、詐欺師と警察の立場でバチバチの演技合戦を見せてくれるのでしょうね。
『クロサギ』は初回、高視聴率を叩き出しました。現在、テレビ各局が重視する13歳から49歳までのコア視聴率は4.2%を記録(関東地区・ビデオリサーチ調べ)と相当良い数字でした。2人の大活躍は、黒島さんにささやかれる厳しい声も吹き飛ばし、さらに多くの視聴者を獲得していくのではないでしょうか」(ドラマ制作会社関係者)
若く、才能と実力があふれる両者の“激突”によって、『クロサギ』の快進撃はますます続きそうだ――。