吉沢亮『PICU』は「無念の患者死亡」、『slient』『エルピス』は「今の時代を映す」作品…新たな挑戦作に注目!【2022年秋ドラマ専門家が徹底解説】(2)の画像
※画像はドラマ『PICU 小児集中治療室』公式ホームページより

 10月初頭から放送が始まった2022年度秋クールのドラマの初回が出そろった。そこで、本サイトではライターとしてドラマやテレビ番組、書籍など幅広い分野について執筆している成田全(なりた・たもつ)氏に、秋ドラマの注目作を取り上げ、それぞれの作品について詳しく分析してもらった

 1本目となるこちらの記事【2022年秋ドラマ専門家が徹底解説(1)】で秋ドラマの注目作を取り上げ、それぞれの作品について詳しく分析してもらった。

 2つ目となるこの記事では、成田氏ならではの視点から「2022年秋ドラマの傾向」にフォーカスしたい。

 まず、今期の特徴としては「作品のテーマや舞台設定はバラバラ、特定のジャンルに偏っているわけでもなく、非常にバラエティに富んでいる」と成田氏は話す。

「今期は、それぞれ違ったテーマ、ジャンル、職業を取り扱っている印象ですね。その分、”自分の嗜好に合うものを選ぶ”といった形の視聴ができると思います。地上波で、リアルタイム視聴する方は少なくなっている世の中、配信で見る人も多いですよね。

 特に、フジテレビの月曜日は、21時から吉沢亮さん(28)主演の『PICU 小児集中治療室』、22時からは長澤まさみさん(35)主演の『エルピスー希望、あるいは災いー』という、どちらも重いテーマを扱った作品です。2時間続けて視聴するにはちょっと、という方はどちらかを配信で見るといいのではないでしょうか」(成田全氏=以下同)

 吉沢主演の『PICU』は、北海道の丘珠を舞台に、小児集中治療室=PICUを設立し、医師たちが懸命に小さい患者たちを治療する物語だ。第1話では、作中でPICUが作られる前に、大きな設備がある病院への搬送が間に合わなかった患者が死亡、そしてPICU設立後に搬送されてきた患者も死亡するという重い展開が続いた。

 長澤主演の『エルピス』は、眞栄田郷敦(22)演じる深夜番組のアシスタントディレクター・岸本拓朗がひょんなことからある事件の冤罪疑惑について追うことになる、といったあらすじだ。長澤演じる落ち目の女子アナ・浅川恵那は、鈴木亮平(39)演じる、テレビ局の政治部所属・官邸キャップの斎藤正一との「路上キス」を週刊誌に掲載され、「エース女子アナ」の座から転落。浅川は、睡眠や食事に支障が出ていて、やつれきった顔で水すら飲めずにえずいているシーンなどが描かれた。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4