■政治色の強い作風に評価は大荒れ!

 こうして役者陣の演技が高く評価されている一方で、従来の『仮面ライダー』に比べて非常に政治思想が色濃く描かれた作風は、純粋な“怪人と人間の対立劇”や“改造人間の悲哀”といった要素に期待していたファンには合わなかったこともあり、評価は賛否がくっきり分かれてしまった。

《政治風刺が露骨すぎる》《今の世界情勢とあんましマッチしてない政治思想が垣間見えて嫌だな…》《自分が1から作り出した作品ならともかく、仮面ライダーというビッグブランドを借りといて、自分の政治思想を混ぜ込んで来るとは…》

 そんな批判の声も多い。

「視聴者に解釈を委ねる、考えさせる作風とも言える。“生誕50周年”という大作だし綿密な話し合いのうえ制作陣も、こうなることは想定してGoサインを出したと考えるのが自然でしょうが、どうしても政治の右翼左翼の話題は荒れやすいし、全体的な尺を政治の話題に割きすぎた感はあります。

 役者陣の重厚感ある演技や画作りはいいし、極端にシナリオが破綻しているわけでもないので、こればかりは評価が割れるのもやむなし、といった感じですね」

 非常に政治色の強い作品になった『仮面ライダーBLACK SUN』。そこから何を汲み取るかは、観る人次第というところか――。

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