フジ『silent』SnowMan目黒蓮が持つ柔らかさと独特の余白…手話だからこそ生まれたかつてないほどの共感の画像
※画像はフジテレビ『silent』公式サイトより

 Snow Man目黒蓮(25)が出演するドラマ『silent』(フジテレビ系)の、好きな人を想う優しい痛みが心に張りついてくる。見逃し配信の再生回数が歴代最高記録を更新するなど大きな話題になっている中で、TVer独占で『エピソード0』が配信になるなど、ドラマの世界観に膨らみを持たせるアプローチがとても丁寧で、視聴者の心を離さず走り続けている。

■目黒蓮の優しさが想を通して映しだされている

 目黒蓮が演じる想は、誰と話をするときも、相手の顔をじっくりと見るし、頷くのも、笑うのも、手話を返すのも、一度、自分の中で消化してからゆっくり“返事”をしている。これが想のおっとりした優しい人柄であることが伝わり、温かい空気を作っているのがとても心地いい。背の高い想が、表情を見ようとのぞき込んだり、返事を待ってあげるときに少し首を傾けるのも、全力で受け止めてくれるんだという安心感がある。

 このふわりとした穏やかな空気は、目黒自身が持つものだ。アイドルとして歌い踊る目黒も、バラエティ番組で笑っているのも、ファッション雑誌のモデルとして服の魅力を表現しているのも、全部、違う表情をしているけれど、そのすべてに柔らかな空気がまとっていて、余白のように映る。

 この余白が想の会話シーンにも感じられて、本人に見つめられているような感覚になる。『silent』では、会話をするということは声を使ってしゃべることではなく、気持ちを伝えあうことだ。手話を使い、口の動きや表情を見ることで、想を通して目黒の心と“話をしている”という直接的な感情になるだろう。そして、湊斗や紬が感じている会話の感覚を、画面を通して感じられ、胸がいっぱいになるのだ。こんなふうに、感覚に共感する恋愛ドラマがあっただろうか。

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