■タッキーの火山投稿&ネット利用はファンの母性本能をくすぐる

 芸能人のSNSというと、主な利用法は新曲のリリースやテレビ・舞台・映画などの出演情報など、仕事の告知などが多い。それに加えて、井上氏は「プロフィールで公にしている趣味の部分でのファンとの交流」も挙げる。

「公式なプロフィールで明らかにしている、趣味に関する当たり障りのない発信などは、芸能人の仕事以外の一面を見られたような気がしてファンとしては嬉しくなりますよね。滝沢氏の場合でいうと、完全にプライベートではないにせよアイドルとは違う側面が見られる。テレビや舞台、コンサート以外の、ある種“素の部分”に近いところが見られる感覚になります。

 滝沢氏と火山に関しても、アイドルだった滝沢氏がアカデミックな研究をしたり、火口に降りる危険な行動をしている。それに、ツイッターの使い方がわからない“天然”ぶりを発揮していますが、そうした行動が、ファンの母性本能もくすぐることができているのではないでしょうか」

 現在、ツイッターは大手自動車メーカーのテスラのCEO、イーロン・マスク氏(51)による買収に伴い、人権担当の部署に所属していた社員が全員解雇されたり、「公式マーク」に月8ドルのサブスクリプション代を導入したりするなど、大きな変化が起きている。

 海外ではマスク氏によるツイッターの言論緩和を危惧してモデルのジジ・ハディッド(27)やスペインの高級ブランド・バレンシアガがツイッターの利用を止めるなどしているが、日本の芸能人には何か影響はあるのだろうか。

「アメリカでは、マスク氏による買収以前からツイッターにおける言論の自由はどこまで大丈夫なのか、といったことが議論され続けています。日本に関しては、そもそもコンプライアンス研修やSNSの使い方講座を受けている芸能人の方が、そこまで危ない発言をすることはないでしょうから、特に大きな影響はないと思われます」

 彗星のようにツイッターに現れた滝沢氏が、瞬く間に「芸能界No.1ツイッタラー」の座に上り詰めたのも、その巧みな「プロデュース力」のおかげかもしれない――。

井上トシユキ(いのうえ・としゆき)
ITジャーナリスト。『日刊ゲンダイDIGITAL』や『デイリー新潮』など多数のメディアで執筆。コメンテーターとして『ワイドナショー』(フジテレビ系)など出演多数。

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