【俳優・Mリーガー】萩原聖人“独占インタビュー”!「『雷電』がTWICEみたいな女子4人組で麻雀も強かったら盛り上がると思います(笑)」『Mリーグ』の発展を思うからこその「苦言と提案」【#3】の画像
真剣に語ってくれた萩原聖人さん  撮影:小島愛子

 俳優・萩原聖人(51)。数多くのドラマ、映画に出演してきた一流俳優の彼が、麻雀のプロ、プロ雀士であることももはや有名だろう。俳優とプロ雀士、一方だけでも難しいプロフェッショナルな仕事を、どちらも全力で臨む「二足の革靴」の精神でこなしている萩原に今回、本サイトは話を聞くことができた。

 麻雀のプロリーグ『Mリーグ』、『TEAM RAIDEN/雷電』の一員として5年目を迎えた萩原。苦難のときを経て、50代に突入した「俳優兼Mリーガー」の今の思いとは。そして、2023年の麻雀界、Mリーグの行く先を、萩原はどう見ているのか――。ひとつだけ言えるのは、今の萩原聖人は「カッコイイんです」!(#1~4のうち3)

【「麻雀は見ている人の喜びになるものでなければやっている意味がない」強靭になったメンタルと「勝つこと」で起きること #1に戻る】

■『Mリーグ』の放送時間への思い「19時に始まって23時に終わるっていうのは……」

――最近、世間では脳トレなどの観点もあって子どもや女性、シニア層にも麻雀が広まっていると言われています。“麻雀ブーム”という報道もありますが、萩原さんの肌感覚ではどう感じておられますか?

「う~ん、正直に言うと……本当に今後につながるのかな、と思っています。子どもが麻雀に興味を持ってくれる事実があったとして、彼らが“Mリーガーになりたい”と思ってくれるかどうか……。

 まず、年齢的な問題があって雀荘では練習ができないですよね。それに、“麻雀ばかりやってないで勉強しなさい!”というのが一般的だと思います。

 あと、以前にも話したことがありますが、(普及に)『Mリーグ』が軸になってるのは事実ですが、番組が19時に始まって23時に終わるっていうのは、放送終了時間が遅すぎますよね。

 そういうことを全部トータルすると、“諸手を上げてみんなが麻雀をやる環境に本当になっているのかな?”と思います。実感としては、まだそんなに麻雀ブームは来ていないと感じています。

 もっと取り込まないといけない層とか、本当に興味を持ってもらわないといけない層にもっと訴えていかないといけないし。記者さんに逆に聞きますが、『Mリーグ』の何が面白いですか?」

――えっ、そうですね……僕とかは学生時代から麻雀好きで。でも、各団体の放送はどうしても地味で。そこに音楽やビジュアルが入って、放送コンテンツとして見やすいエンタメになっている。ただ、もともと麻雀好きだから楽しく感じますけど、言われてみれば、もともと好きじゃない人にはまだハードルが高いのかもしれませんね。

「乱暴な言い方ですけど、もともと麻雀が好きな人は放っておいても見てくれるんですよ。無料で各団体のトップリーガーたちの麻雀が見られるとなれば、放っておいても見てくれる。

 でも、そうじゃない層にどう見てもらうかとなったときに……最近は女性選手はみんな可愛いですけど、スポーツと言っていいかも微妙な立ち位置の麻雀という、世の中の人の中にはまだ“ギャンブルでしょ?”と思っている人もいると思います。それをどうやって見てもらうか……僕もずっと考えています」

――先ほどの『Mリーグ』の放送時間の件もありますよね。

「これがゲームの性質上どうにも……だからなるべく省ける時間は省く。僕は選手のリズムみたいなものも、常に一定はダメだけど、意識すべき部分ではないかなと常々思っています。長考がダメ、と言っているわけではないですよ。長考も麻雀の1つの醍醐味だし、早すぎるのもダメ。意識統一が必要と言いますか……。小中学生たちの“明日の学校の話題”になってほしいなら、最後まで見ていられる22時30分には終わりたい、みたいなふうに思います。

 それって全員の意識統一で、“じゃあ2試合がそこで終わるように目指しましょう”って意識があるかないかなんですよね。多分、現状はないと思います。

 野球やほかのスポーツは選手からも長くならないようにと意見が出て、短縮化されています。

 ただ、選手的には、“これがあった方がいいな”みたいなものはあると思います。でも、“なるべく時間を短くしましょう”と短縮化されていったものも結構多い。短縮化は選手にとってみればリスクを伴うこともあります。

 でも現状、『Mリーグ』では、そのリスクを背負おうと思えていないと感じています。それは勝つため。勝ちたいから、リスクは負いたくない。だから、まだまだエンタメに特化できていない、と細かく言うとそこにつながってくるんですよ」

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