■福本豊やイチロー…歴代最強ヒットメーカー

 一方、外野陣にもパ・リーグを象徴する名うてのヒットメーカーがそろった。中でも阪急黄金期を支えたリードオフマン、当時の世界記録となる通算1065盗塁を誇る福本豊(阪急)は、“歴代最強”打線においても「不動の1番」だ。

「福本がすごいのはセーフティバントを一切しなかったところ。1キロ近いぶっといバットを最短距離で巻きつける独特のスイングで、きっちり安打で出塁した。あの頃の福本が、もしバント安打を狙っていたら、盗塁も、ゆうに150個近くはいってたんじゃないかな」(江本氏)

 その福本がいた阪急の後継であるオリックスで、首位打者を定位置にしたイチローも当然、外せない。

「イチローの安打記録は今後、塗り替えられることはないと思う」(38・配送業)というように、マリナーズ時代の09 年に、誰も届かないと思われた張本勲(東映)の3085本の通算安打記録を更新。最終的には、日米通算4367安打を放った。

「柵越えを連発するイチローの打撃練習には、ウチ(西武)の選手たちもクギづけになって見ていた。だけど、現役時代の張本勲(東映)さんもすごかった。打席に入る所作は歴代でもあの人が一番。“来い!”という闘志が全身からみなぎっていて、そりゃあ、かっこよかったよ」(伊原氏)

 DHにも座る大谷は、ポテンシャルならプロ野球史上、ナンバーワンと言ってもいいだろう。

 王貞治氏も、花巻東高時代から逐一、ビデオをチェックし、「日本で僕のホームラン記録を破れる一人かもしれない」と、高く評価していたほどだった。

「早い段階から彼の打撃センスを買っていた王さんは、かねてから打者専念派。大谷の二刀流開眼に対しては“想像をはるかに上回る成長だ”と手放しで絶賛をする一方、“二刀流が維持できるのは20代まで。どこで一本に絞るかの見極めを誤ってはいけない”と、危惧も口にしています」(スポーツ紙記者)

 それでも、「大谷の進化の最終形は誰も想像できない」(44・会社員)という声の通り、23年も、さらなる驚きをもたらしてくれることだろう。

 ちなみに、この両軍が実際に激突したら、どのような試合になるのか。

 監督経験者である伊原氏に、試合展開を予想してもらおう。

「このメンツなら両軍とも、監督は何もすることがない(笑)。強いて挙げるとしたら、パ・リーグの落合はDHに回して、二塁手に小技も利く大石大二郎あたりを入れたいね。見渡した感じは、ややパ・リーグのほうが強そう。金田さんと稲尾さんだけに、ロースコアの投手戦になりそうな気もするね」

 誌上で実現したドリームマッチ。読者諸兄の思う最強や、いかに。

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