■フナ寿司や茶台寿司、ゴマサバも!

 続いて、フナ寿司(滋賀県)が第8位に。

 冬に琵琶湖で獲れるニゴロブナを用いた、なれ寿司で、独特の風味が特徴だ。

「ごはんの中に魚を漬けておいたら、自然に甘酸っぱくなった。それが、なれ寿司の始まりです。酢を使わないんですよ。フナ寿司は、それを代表する存在でしょう」(前出の日比野氏)

 第7位には、茶台寿司(大分県)が入った。

「現在の臼杵市が発祥で、にぎり寿司のネタが酢飯の下にもある、サンドイッチのような寿司です。殿様が使うような立派な茶台に見立てたことが、名称の由来とか」(グルメライター)

 続く第6位に選出されたのは、ゴマサバのにぎり(高知県)である。

 回転寿司評論家の米川伸生氏が、これを絶賛する。

「高知といえばカツオというイメージですが、地元では、土佐清水のゴマサバも“清水サバ”のブランド名で親しまれています」

 清水サバは、サバにしては珍しく生食がOKだとか。

「味は濃厚で、香りが口いっぱいに広がります。また、酢で軽く締めることで一段と、うま味が凝縮される“浅締め”もオススメ」(前同)

■“白身の大トロ”ノドグロ

 続く第5位には、高級魚で知られるノドグロのにぎり(石川県)が選ばれた。

 ふだんは庶民的な回転寿司を食べ歩く米川氏も、ノドグロに限っては奮発する価値アリだと断言する。

「金沢のノドグロは、切り身の皮目を少しあぶり、塩をかけて食べるのが特徴。上品な脂がジワッとあふれ、口いっぱいに香りとコクが広がる。“白身の大トロ”といった味わいです。ただ、金沢市でも安い店では外国産が使われるので、本当においしい地場産を食べるなら、コストを惜しまないことが肝心です」(同)

 時期にもよるが、金沢の回転寿司店なら1皿700円前後が相場。一度は挑戦したい逸品だ。

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