■若さ、元気の秘訣

――デヴィ夫人は新聞を隅々まで熟読し、気になるニュースを切り抜いてスクラップをするのが習慣になっているという。その判断基準は“愚かな犯罪”。国内で頻発している犯罪に対して、激しい怒りを抱いている。

 乳児を壁にぶつけて死なせるとか、子どもを置き去りにして餓死させる、教師の性犯罪に、あおり運転。おかしいことが多いですね。教育レベルが低下している一方で、道徳もどんどん落ちていると感じます。戦前戦後、日本は教育程度が世界一だったんです。17世紀に読み書き、そろばんを教える寺子屋があった国なんて、他にありません。太平洋戦争で負けたときも、自分の名前を書けないアメリカ兵も、けっこういたくらいです。それが今や、教育水準ランキングは、世界で14位(22年6月時点)。落ちぶれたものです。

――そうした凋落の原因を作ったのは、政治家と日本教育組合だと話す。

 教科書も昔は文部省が作っていたのに、最近は民間企業に作らせ、自虐的な歴史ばかり教えるため、日本人としての誇りが持てない。そして愛を知らない子が育ち、それが親になって冷酷な罪を犯す。両親の愛を燦さん々さんと受けた人は犯罪者にならないと思いますよ。

●1日10回〇〇することが大事

――最後に、生きづらいといわれる現代世界で、デヴィ夫人のように若さを保ち、元気でいられる秘訣を聞いてみた。すると、「いつもは講演料をいただいて、お話しているんですよ」と冗談を交じえつつ、あり余るパワーの源を教えてくれた。

 先ほどお話したように、私にとってエネルギーの源は、怒り。今の日本に対してもだし、ロシアを擁護する政治家たちに対しても、私の怒りが消えたことはありません。その怒りや不満を、どうしたら解消できるのか。なぜ、そんなことになったのか、興味を持つこと。若い頃は、自然と何事にも好奇心を持ったはずです。

 あとは“1日10回は感動しなさい”ということ。けっして難しいことではなく、美しい音楽や絵画に触れたり、犬がかわいい、花がきれい、そんなことで十分です。感動がないと、生きたまま化石になってしまいます。そうならないように、いろんなことにチャレンジしてください。

 デヴィ夫人のエネルギーが尽きることはない。

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