■筋肉だけで90キロ国内トップクラスのボディビルダーの筋肉量

 ちなみに、昨年3月に行われたWBC出場登録時の大谷の公称プロフィールは、身長193センチ、体重95キロだった。日本ハム入団直前の2012年。高校日本代表選出時の885キロから、たった10キロ増というのは、にわかに信じがたい。阪神タイガースのコンディショニングアドバイザーも務める『桑原塾』主宰の桑原弘樹氏も、「おそらく100キロはゆうに超えている」として、こう続ける。

「あの筋肉量からして、体重は105~110キロ。体脂肪率10〜12%くらいではないかと推測します。仮に体脂肪率10%とすると、筋肉だけでおよそ90キロ。これは国内トップクラスのボディビルダーの筋肉量に相当します」

 むろん並の人間なら、それだけの筋肉を鍛え、維持するだけでも至難の業。

 だがそれを当たり前にやれるのが、大谷が大谷たるゆえんでもある。

■インスタグラムで公開したショート動画

「あくまで予想ですが、股関節の動きを重視しながらスクワットも相当やっているはず。彼自身、効果を感じられる筋トレがきっと大好きなんでしょう。今は体を5分割ぐらいにして、鍛える筋肉と休ませる筋肉を毎日替えていく“分割法”というトレーニング法もある。これなら自宅などでも効率よく鍛えられます」(前同)

 そんな大谷の筋肉エリートぶりを知らしめたのが、20年のシーズン中に彼自身がインスタグラムで公開したショート動画だ。225キロのヘックスバーを使って、デッドリフト(バーベルなどを膝上まで持ち上げる動作)を行う彼の姿には、多くのファンが驚嘆の声を上げた。

「件の動画は3年以上前に撮られたもの。今は260キロ近くまでは上げられるのでは。あの重量でのリフトは、全身の筋肉をバランスよく使わないと、あっという間に体が壊れてしまう。彼自身がちゃんとした指導や理論のもとで日々トレーニングを実戦しているという証左でもあるわけです」(前出の高林氏)

■時間睡眠も強メンタルの証

 また、高林氏は大谷の肉体を語る上で、睡眠時や空腹時に分泌される「成長ホルモンの効果も欠かせない」と指摘する。

 実際、大谷は自他ともに認める睡眠マニア。自ら「量も質も大事」と語り、使う寝具は老舗の『西川』が完全サポートし、シーズン中でも、1日10時間以上は寝るという。

「ボディビルダーなどは、興奮状態が長く続くことで不眠に悩む人が案外多い。コンスタントに10時間近い睡眠時間を確保できるということは、彼自身の切り替えが早いということ。言い換えれば、それだけプレッシャーに強い、ということです」(前同)

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