■塩分の多い食事に注意
また、塩のとり過ぎは、腎臓病や高血圧の原因だけではなく、がんのリスクも高めるという。
「塩分の多い食事をとり続けると、胃の粘膜が繰り返しダメージを受け、胃がんになりやすいんです。極論すれば、胃がんの原因は、ほぼ100%塩分と私は考えています」(前同)
その証拠に、米国ではかつて保存目的で塩漬けした肉を食べることが多く、当時は全がんの中でも胃がん患者がトップだったが、冷蔵庫の普及で現在は、劇的に減少したのだという。
「塩分の摂取は、1日10グラム以下に。みそ汁は野菜摂取などのプラス効果が大きいので毎日飲んでもいいですが、減塩みそに替えましょう」(同)
■ナッツ類に付着するカビ
また、『がんにならないのはどっち?』(あさ出版)の著書もある、『秋津医院』(東京都品川区)院長の秋津壽男氏が注意を促すのがナッツ。
「ナッツは健康にいいんですが、ローストしたナッツ類に付着するカビには、強い発がん性物質・アフラトキシンが含まれているから要注意です」(秋津氏)
■ニンニクやキノコ、リンゴがオススメ
では、がん予防効果のある食べ物は何か。水上氏が勧めるのはニンニクとキノコだ。
「米国の国立がん研究所が2000万ドルの予算をかけて、がん予防に効く植物性食品を調べた結果、最も重要度が高かったのがニンニクでした。また、キノコは我が国の国立がん研究センターなどの調査で、ベータグルカンという含有成分が免疫力を上げるという結果が出ています」(水上氏)
一方で、岡田氏が推すのはリンゴ。
「抗酸化作用のあるポリフェノールが豊富だから。この成分が豊富な果実は他にもありますが、リンゴの場合はポリフェノール分子がバラバラに存在していて、腸に吸収されやすいんです。皮には果肉の5倍も多く含まれるので、皮ごと食べるのがいいでしょう。目安は1日1個です」
■有効な運動を
運動も、がんにならない体を作る重要な習慣だ。前出の岡田氏は1日30分の運動を週3回以上やることを勧める。
「運動するとp53という発がんを抑える遺伝子が活性化します。その結果、がん細胞分裂を促してしまうインシュリンの分泌量が減るんです」
運動は有酸素・無酸素運動を問わず行うのがいい。ただし、脈拍数が上がらないと効果がないので、ブラブラ歩く程度ではダメとのこと。30分もやる時間はないという人は、1回15分、1日2回でもいいそうだ。これに対し、前出の秋津氏はヨガ、座禅、太極拳が特にいいという。
「深く長く、ゆったりした腹式呼吸をしていると、自律神経を整えて、免疫機能を高めるんです」(秋津氏)
食事と運動で体を整えたら、次のステップへGO!