■世界一の選手になりたい

 福島氏が一番好きなのは、17年のオフにメジャー挑戦を表明したときの「世界で一番の選手になりたい」という言葉だという。

「だからこそ、常に向上心を持って挑戦し続けているんでしょう。実際に、2回もMVPを獲って、誰もが認める世界一の選手になっているんですが、彼はまだまだ満足していませんね」

◆日ハム時代から「お酒は必要ない」

 実は、日ハム時代から、大谷は“世界一”を意識していたという。

「先輩たちに飲みに行こうと誘われても、頑なに断り続ける大谷に、白井一幸コーチが“あんまり誘いを断ってると嫌われちゃうよ”と心配して声をかけると、“嫌われてもいいんです。僕は世界一の選手を目指しているので、お酒は必要ないんです。

 でも、僕が世界一の選手になったら、みんな、ちゃんと僕のことを好きになってくれますから大丈夫です”と答えたといいますからね」(民放スポーツ担当記者)

■リトルリーグでは日本一になったことがない

 そんな大谷の野球人生が、常に栄光に彩られていたかといえば、けっして、そうではない。

 リトルリーグの頃から突出した存在だったが、日本一になったことがなければ、世界選手権にも出場していない。

「“小さいときからずば抜けて成績を残してきたわけではないですし、最初からこの技術や体があったわけではない”と明かしていますが、実は、その通り。 才能だけの選手ではなく、人一倍の努力があったことは、言うまでもありません」(前出のスポーツ紙記者)

■花巻東高校時代に作成した“目標達成シート”

 大谷の努力を支えたものの一つとして知られているのは、花巻東高校1年のときに作成した“目標達成シート”。

 真ん中に達成したい目標を書き、周りに、それを成し遂げるために必要な思考や行動を具体的な言葉で埋めていき、マンダラ状にしたものだ。

◆ドラフト1位、8球団

「当時の目標は『ドラ1 8球団』で、周りには『体づくり』『コントロール』など8項目を記入し、さらに、それらを高めるために必要なことが、それぞれ8項目、書かれていました。

 大谷は常に、このシートを見て行動を律し、目標のために努力を習慣化していったんです」(前同)

 そんな日々の中で、誰の想像も超えて大きく成長した。

「高校時代の恩師・佐々木洋監督に、“(二刀流なんて)誰もやったことがないと言われてますけど、誰もやっていないからこそ、やってるんですから”と語るまでになりました。

 並大抵の努力ではないはずですが、それを、いつも笑顔で楽しそうにこなすのも、大谷のすごいところですね」(同)

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