WBCで野球ビジネスの“うまみ”

「1990年からその関係は続いていて、例えば、16年から20年までの4年間、1年約6000万ドル相当の配信契約を結んでいます。今はもっと高騰していることでしょう」(前同)

 A社は、昨年のWBCで改めて、野球ビジネスの“うまみ”を味わったという。

日本代表ユニフォームの広告や試合の放映権、海外市場の開拓

「日本代表ユニフォームの広告や試合の放映権はもちろん、『侍ジャパン』というネーミング・ライツも牛耳った。海外市場を開拓したいMLBと、海外に選手を“出荷”して利権を得たいA社は、利益が一致するんです」(同)

 すでにマネジメントを手がける“先輩”もいる。

山本由伸と共演

「山本由伸です。山本と佐々木は23年のWBC前にインターネット配信番組で共演するため、渡米しているのですが、そこで佐々木がメジャー関係者と接触した噂もあります。昨オフ、佐々木は選手会を脱会しましたが、山本もポスティング前に脱会している。これは偶然かな……と」(同)

 これは、日本のプロ野球がMLBの“草刈り場”になっているようなものだ。

「今季、DeNAからカブスに移籍した今永は、年俸が13倍ほどになった。この流れは止められないでしょう」

 こう解説するのは、MLB事情に精通したスポーツライターの小林信也氏だ。

「MLBは野球をコンテンツビジネスとして世界規模で考えているんです。14年には開幕戦を豪シドニーで、19年には英ロンドンで開催していますが、今回も、その一環です」(小林氏)

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