現代の価値観からすれば、一般男性が嫌悪しがちなのがホモセクシャルやバイセクシャルといった性的嗜好。だが戦国時代にはホモやバイは当たり前だったりする。

歴女の一部が胸アツで注目する戦国武将たちの男色関係

近年、男性が中心であった戦国期に興味を示す女性たちが増え、そうした女性たちのことを「歴女」と呼ぶようになってきた。そんな歴女のうち結構な率で興味を持っているのが、武将の男色関係の話。

女性向けに創作された男性同士の恋愛をテーマにした作品をボーイズ・ラブ(BL)と呼び、40年近い歴史があり、マニアックな人気を博している。BLな世界の基本は、ありえないほど濃厚な男性同士による恋愛模様。多くはフィクションの世界である。

ところが、戦国期の武将たちは、BLファンが妄想で思い描く世界が、リアルに存在していた。そう、戦国時代の武将たちにとっては男性同士の恋愛というのは、一般的に受け入れられていたのだ。

日本では、男性同士による恋愛は衆道や男色と呼ばれ、鎌倉時代に端を発しているとされる。初期の男色の世界は仏教界に広がっていた。年上の僧と稚児と呼ばれる童子との精神的な恋愛であった。

室町時代に入ると、その文化(?)が京の上流階級に広がっていく。公家や将軍家などに受け入れられ、戦国期に入ると地方武士にまで広がっていった。以後、西洋文化が爆発的に導入された明治まで、男色の文化は連綿と続いていった。

歴史に名を残している武将の9割以上は、男色の経験があったらしい。織田信長なら前田利家や森蘭丸、徳川家康なら井伊直政、伊達政宗なら片倉小十郎……。男色に興味がなかったのは、豊臣秀吉ぐらいしかいないとまで言われている。

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