ゲリラ豪雨や猛暑による災難を回避異常発生編
夏は高速道路の走行環境に異常が発生しやすい季節でもある。その筆頭が、ゲリラ豪雨と雷雨だ。
突然の激しい雨に見舞われ、ワイパーを最大で動かしても周囲は何も見えないままで、追突や衝突の恐怖を感じた経験を持つ読者も多いのではないだろうか。
「高速道路走行中にゲリラ豪雨に襲われた場合は、できるだけ早く車を停めたいので、近くのSAやPA、最悪は高速バスの停留所に避難してください。路肩に停車するのは、他
の車と衝突する可能性がありますので、かえって危険です」(相川氏)
また、こうした雨は降っているときはものすごい勢いだが、「大抵は15分程度で収まります。逆に、その中を強行しようとすると雷雲とともに車が移動、延々と雨の中を走るなんて事態もありえます」(前同)
さらに、別の対策術を教えてくれるのは、自動車評論家の吉田由美氏だ。
「首都高横羽線の羽田トンネルなど、冠水しやすい場所は、できれば通行しないほうがいいですね。ほかにも、水はけの悪い部分は特に注意が必要です。また、フロントガラスを撥水コーティングすると視界が良くなり、事故防止につながります」
さらに、運転中とはいえ気をつけなければならないのが熱中症対策だ。
千賀氏は、自身が経営する運送会社の経験談を話す。
「ウチの運転手も、配達先での荷卸し中に熱中症で倒れてしまいました。原因は、冷房をギンギンに効かせた車内環境から降車してすぐに炎天下で作業をしたこと。ですから、冷房を効かせて走行する際、目的地に近づくに連れて車内の温度を少しずつ上げ、最後に窓を開けて外気を取り込んでください。徐々に体を慣らしていくことが大事です」
さらに、夏のドライブを恐怖に陥れかねないのが、タイヤトラブルだ。
「真夏の高速でタイヤのバースト事故はかなり多いんです。すり減ったタイヤを装着して炎天下を走行すると、次第に高まる空気圧によってバースト。大事故につながりかねません。タイヤをローテーションしたり、バルブ交換をすることで、未然に防げる部分もありますので、普段の走行中にハンドルがガタガタすると思ったら、まずはタイヤを点検してみてください」(前出・小森氏)
高速道路で車が停まってしまったら一大事。異常気象などの被害者にならないためにも、メンテナンスをしっかりしておきたい。