一瞬の油断が大事故につながる危険地帯都市高速編

高速道路といっても、東名や東北道など日本の大動脈として走る高速自動車国道とはまったく異なる心構えが必要なのが、首都圏、名古屋、阪神圏、福岡圏に張り巡らされる都市高速だ。

「まず第一に、都市高速には路肩がありません。もちろん、非常駐車帯は一定間隔で設置されていますが、緊急事態が発生したら、そこまで走るのは困難です。私も以前、首都高を走行中にタイヤがパンクしてしまい、走行車線上に緊急停車した経験があります」

こう話すのは前出・千賀氏。追い越し車線を走っていたそうだが、なんとか走行車線に移動したという。

その後、後続車に停車を知らせて衝突を防ぐために、ハザードランプを点灯させ、車両後方に三角表示板を設置しなければならないが、その際、さらに注意が必要なのが車から降りる瞬間だ。

というのも、昨年10月、お笑いタレントの桜塚やっくんが中国道で事故死したが、それこそが、事故後に降車したところを後続車にはねられたからだった。

「都市高速は路肩がないですから、絶対に運転席から出ず、助手席側から降りてください。車を高架上の遮蔽壁にピッタリ寄せて停車しても、縁石との間に20センチ程度の隙間が生じます。そこから体を横にして外に出てください」(前同)

その後、JAFのロードサービス車などが来るまで待機するしかないが、なかには、この際、さらに"不測の事態"を招いてしまうドライバーもいるという。

「都市高速には緊急用の避難口が設置されていて、そこから階段を伝って地上へ降りられるようになっていますが、実は、その避難口は"オートロック式"になっているんです。首都高でガス欠になったドライバーが地上のGSまでガソリンを買いに行ったのはいいものの、戻って来られず、そのまま車を首都高に放置した状態になってしまったという話もあります」(相川氏)

都市高速が抱える危険はほかにもある。

それが、多くの車線変更を短距離間で必要とするICやJCTの利用だ。

「たとえば、阪神高速1号環状線の土佐堀ランプから北浜出口や近畿道へ抜ける場合、短い距離内で3回の車線変更を必要としますが、渋滞している場合、うまくできないこともあります。焦って移動しようとして周囲の車と接触したり、逆走するなんてことを避けて、ムリな場合は次の出口で降りたり、もう1周するなど冷静な対応が望まれます」(前出・村松氏)

また、首都高には左右の両方に入り口・出口があり、走行車線を走っているときに、出口が追い越し車線側だと気づき、慌てるドライバーも少なくない。

「出口が右側にある場合、事前に《右出口》と表示されているので、それを見逃さないでください。それから行き先については、4号新宿線は《4》、5号池袋線は《5》などと数字で方面が表示されていますので、自分が行きたい方面の数字を事前にチェックすることも大事です」(相川氏)

それなりの運転技術や知識が必要な都市高速だが、利用する前の"予習"も危険リスクを下げてくれる。

以上を参考に、どうぞ安全運転を!

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