中ロが急接近して日米を挑発

こうした外交のバックボーンとなるのが、各国の「軍事力」だ。

世界各国の総合的な軍事力を比較しているグローバル・ファイヤーパワー『世界の軍事力ランキング2014年版』によれば、世界第2位ロシア(国防予算766億ドル)、3位中国(1260億ドル)、9位韓国(337億ドル)、10位日本(491億ドル)、35位北朝鮮(75億ドル)となっている。

「アメリカに次ぐ軍事大国として、ロシアの存在感が増しています。かつての強大軍事国家だったソ連"帝国"は崩壊しましたが、ロシアがいまだ核大国であり、軍事大国であることには変わりありません。先日、米欧のミサイル防衛(MD)計画を突破する新型ICBMを開発したと発表。現在も世界が恐れる軍事脅威国家です」(軍事ライター)

そんな大国ロシアと230万の人民解放軍兵士を抱える中国が、ここにきて急接近している。

「上海条約機構という軍事・政治同盟を作り、中ロ共同で東アジアの覇権奪取に向け動き出しています」(外交評論家・井野誠一氏)

ここ数年にわたって東シナ海や渤海、黄海、トンキン湾で大規模合同軍事演習を実施。日米両国を挑発するがごとく、軍事プレゼンスを見せつけている。

「日本にとっては、軍事大国の中ロの接近は驚異です。両国軍隊を前に韓国は日米側につくか、それとも……と揺れ動いています。かたや、北朝鮮は毎度毎度ミサイル発射などの"示威行動"ばかり。核開発も結局、国際社会との交渉カードでしかなく、軍事力はハリボテもいいところです。負け犬の遠吠え程度の脅威でしかありません」(前出・軍事ライター)

一方、国力の指標となるのが「経済力」だ。

各国経済の目安である13年度の名目GDP(国内総生産)を見ると、世界第2位中国(9兆1810億ドル)、3位日本(4兆9010億ドル)、8位ロシア(2兆1180億ドル)、15位韓国(1兆2211億ドル)、北朝鮮(順位不明/参考試算で284億ドル)。中国の発展が際立つが、決して順風満帆ではない。

「習近平政権が怖れているのは"バブル崩壊"。不動産価格の下落などが起きたため、金融緩和や景気対策に力を注いでバブルを延命させている。とはいっても、習政権がやっているのは対症療法で、不安要素だらけです」(エコノミスト)

対して、安倍首相が推し進める景気回復策・アベノミクスは、意外にも海外では評価の声が広がっている。

「デフレ脱却のきっかけを作った手腕が評価されています。円安が世界的な通貨不安を招くという批判もありますが、輸出で外貨を稼ぐ日本にとっては、どれだけプラスか……。工業製品の輸出で稼ぐ韓国にとっても脅威です。日本経済の国際的な存在感は増しています」(全国紙経済部記者)

一方、豊富な資源を元に経済成長を続けてきたロシアには暗雲が……。

「ウクライナ危機により、連携を深めてきた西側諸国と経済関係で亀裂が入った。現在、対ロシア経済制裁が続いており、金融やエネルギー産業に影響が出ている。国際通貨基金は、ロシアの本年度の成長率を3・8%に引き下げました。外国からの投資もどんどん引き揚げられており、経済成長を重視してきたプーチンには頭が痛いはず」(前同)

さて、トップに立つ人間は器が必要だが、指導者5人の「人間力」は、いかほどのものなのだろうか? 政治問題に詳しいお笑いグループ・大川興業の大川豊総裁は、各国のリーダーと同じく組織を率いる立場としてこう語る。

「リーダーとは孤独なものですよ。山本五十六じゃないですが、やって見せ、言って聞かせて、させてみせ、褒めてあげないと人は動きませんからね。トップに立ったからといってモテることもなく、何か決断すれば恨まれることもあるんですから」

大川総裁の目から見ると、各国5人のリーダーは、往年のドリフターズに例えられるという。

「習主席は、見た目が柔らかくて高木ブー似です。トップとはいえ、実際は自身も含む"共産党チャイナセブン"の7人で国を動かしていて、習主席は表でわかりやすい政策をやっているだけ。いわば、自分の身の丈を知っている頭脳的なトップです」(前同)

他のリーダーについては、

「プーチン大統領は、いかりや長介的なリーダーらしいリーダー。セウォル号の事故処理で後手後手に回って不安がられたように、朴槿恵大統領は、若い奥さんをもらって最近、何かと心配されている加藤茶タイプ。金正恩第1書記は個の中で最も若く、大成功するか大失敗に終わるかギャンブル的な要素が強い若い頃の志村けんタイプですね」(前同)

となると、安倍首相は?

「第1次政権の時に比べると覚悟が見えます。これまでは"美しい国"という言葉ばかりで具体性に乏しかったのが、憲法改正や集団的自衛権など難題に強い意志を持って取り組んでいる姿勢が見えます……そう、キチッと仕事をこなす仲本工事タイプです」(同)

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