セ・リーグ
台風の目の広島が食い下がるも圧倒的な戦力を誇る巨人が優勝


ペナント終盤、2位以下を一気に引き離した巨人。

CSでは、広島と阪神がリベンジを期して激突する。

「初戦はマエケン(前田健太)とメッセンジャーのエース対決と予想しています。去年のファーストステージ初戦、阪神はルーキーの藤浪晋太郎をマエケンにぶつけて失敗しています(※5回7安打4失点で降板)。大事な試合では、こうした奇襲作戦はやらないほうがいい。勝っても負けても誰もが納得できるエースが、投げるべきだと思います」(吉井氏)

昨年、初戦を落とし、そのまま2連敗でCSを敗退した和田豊監督だけに、今年はエース・メッセンジャーでいくのか。

「ここでまず1勝したほうが、一気に2連勝する可能性も十分あります。短期決戦では、まず選手のコンディションが一番重要。調子の良さをどれだけ維持して戦いに挑めるかです」(前同)

エース以外、ともに先発陣に不安を抱える両チームだけに、打線の援護も必要。

「広島の主砲・エルドレッドは前半戦絶好調でしたが、夏以降、急ブレーキ状態でまだ完全復調していません。その代わりの活躍を見せているのが、ドミニカ出身の強打者・ロサリオ。パンチ力と勝負強さを兼ね備え、"1"を超えると超一流と言われる打者の指標の一つであるOPSで約0・99。規定打席に届いていないが、得点圏打率も3割6分近く、シーズン記録でチーム№1です」(前出・記者)

広島がロサリオならば、阪神にはマートンがいる。

「マートンは日本人選手を含めてトップクラスの打者です。あのミート力は天才的。4番を務めるゴメスより怖い存在ですが、唯一の弱点は集中力が欠ける時があること。 それさえ出なければ、CSでもキーマンになるでしょうね」(吉井氏)

広島打線には、ルドレッドとロサリオの長距離砲以外にも注目すべき"武器"がある。

「今季の広島は足を絡めた戦い方が機能しています。菊池涼介や丸佳浩らの機動力は、CSでも強みになるでしょう。ピッチャーからすると、単なる盗塁はそれほど怖くない。それより外野フライや内野ゴロでも、隙あらば次の塁を狙う攻撃のほうが嫌なものなんです」(前同)

さらに阪神には、経験豊かな正捕手不在という弱点もある。

ここは広島が、2連勝で一気に勝負を決めそうだ。

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