異例のドラ1指名公言を敢行

高校生投手に目を転じよう。 特Aランクの安楽だけではなく、高橋光成(こうな)(前橋育英)もドラ1有力候補だ。
「投手として自分の型を持っているのが素晴らしい。まだ、のびしろがありそうです」(スポーツ誌記者)
その高橋に対して15日、いきなりの1位指名を"明言"したのが西武。
「ニュアンスで他球団を牽制し合うのは常套手段ですが、ドラ1指名を、この時期に公言するのは極めて異例。逆に他球団との競合を避ける意図かも」(前同)
投げては最速150キロ、打っては高校通算54本塁打の松本裕樹(盛岡大附属)は、右肘の故障に苦しみながらも、今年夏の甲子園の初戦で優勝候補の東海大相模に完投勝利。 プロ入り後は投手に専念する意向だ。

小野侑(ふみや)(西日本短大附属)は176センチと体は大きくないが、全身のバネを使って投げ込む最速153キロのストレートに威力がある。
塹江敦哉(ほりえあつや)(高松北)は最速149キロのストレートと、キレ味鋭いスライダーが武器のサウスポー。
「制球に課題がありますが、荒れ球も持ち味。石井一久タイプの本格派左腕になれる素材です」(在阪球団スカウト)

大学生、高校生ほどの注目を集めてはいないが、社会人にも評価が高い選手がいる。 横山雄哉(20=新日鐡住金鹿島)の、全身をムチのようにしならせて投げ込む直球には威圧感がある。

次にドラフト上位候補の野手を見ていこう。 大学生の内野手では中村奨吾(早稲田大)が特Aクラス。
「内野だけでなく外野も守れるうえ、ライト方向にも長打が打てるヒットゾーンの広さが魅力。使い勝手のいい即戦力野手です」(前出・夕刊紙記者)
プロで経験を積めば、リードオフマンとしてはもちろん、クリーンアップも任せることができそうだ。

大学生の外野手では江越大賀(たいが)(駒澤大)が出色。 走塁と守備はすでにプロのレベル。打球を遠くに飛ばす能力は天性のものだ。
「打率は低めですが、あれだけ飛距離の出るバッターは近年、稀な存在。右の長距離砲が欲しい球団からの複数指名が予想されます」(民放スポーツ局記者)

高校生野手の目玉は、岡本和真(かずま)(智辯学園)。 高校通算73本塁打の長距離砲だが、バットコントロールも巧みで、各大会で常に4割以上の打率を残してきた。その半面、守備は苦手。 智辯学園では主に一塁を守ったが、プロで守るポジションがあるかどうか。
「それでも、あのバッティングは魅力ですよ。複数の球団が守備にはある程度、目をつぶっても岡本を指名するはず」(スポーツ紙遊軍記者)

浅間大基(だいき)(横浜)は高校通算31本塁打のスラッガーだが、駿足で肩も強く、中堅からレーザービームを見せたこともしばしば。 負けん気の強さもプロ向きだ。
「高校生の野手は岡本と浅間が図抜けてますね。DeNAは地元の浅間を1位指名する決断ができるかどうか。2巡目になると残っていない可能性のほうが高いですからね。一方、巨人が将来の大砲候補として、岡本と浅間の両獲りを狙っているとの情報もあります」(前同)

高校生の捕手なら清水優心(ゆうし)(九州国際大付属)の評価が高い。 185センチ88キロと体にも恵まれた強肩強打の大型捕手で、"城島健司二世"の呼び声も高い逸材だ。

栗原陵矢(りょうや)(春江工)も走攻守のバランスに優れた捕手で、高校通算26本塁打。 二塁送球1秒8の強肩の持ち主で、U‐18アジア選手権で日本代表チームの主将を務めるなど、チームリーダーの資質もある。

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