マドンナ大臣の不祥事で発足以来初の閣僚辞任に揺れる安倍政権。その混乱を横目に、あの男が頂点目指して動き出したとの情報が!

盤石と思われた安倍内閣に、激震が走っている。「9月3日の内閣改造で、安倍首相が任命した2人の女性大臣にスキャンダルが噴出。醜聞発覚から日を置かずして、両大臣は辞任に追い込まれました」(全国紙政治部デスク)
辞任第1号は、第2次安倍改造内閣の"目玉"として華々しく登場した小渕優子経産相だった。
「疑惑の発端は、10月16日発売の『週刊新潮』(10月23日号)です。〈小渕優子経産相のデタラメすぎる「政治資金」〉と銘打たれた記事は、彼女の地元後援会が有権者相手に行った東京・明治座での"観劇会"の費用が不明瞭とし、公職選挙法違反と断罪するものでした」(前同)
ちなみに、ここで言う公選法違反は、投票や集票の見返りに、有権者に安価で観劇や食事を提供していた買収容疑である。
「この手口は、昔の政治家がよく使っていた"選挙運動"です。ただ、こうした古典的な手法が、いまだに横行していたとは驚きでした」(自民党中堅議員秘書)
以後、小渕大臣には、さらなるスキャンダルが雨あられと降り注ぐ。
たとえば、同大臣の姉夫妻が経営するブティックへの政治資金提供疑惑。地元ネギ農家からの"下仁田ネギ"大量購入(地元農家への政治資金供与疑惑)。さらには、政治資金でのベビー用品購入疑惑と、デタラメ見本市の様相を呈した。
「公選法違反容疑と、政治資金(含む政党交付金=税金)規正法違反容疑が次々と発覚。もはや逃げられないと観念した小渕氏は、疑惑報道から5日後、大臣を辞任しました」(前同)
ただ、永田町関係者の多くは大臣辞任だけでコトが済むとは見ておらず、下手すれば議員辞職にまで追い込まれる可能性大、という。一方、この小渕氏に先駆け、疑惑追及の矢面に立たされていたのが、松島みどり法相(当時)だった。
10月7日の参院予算委員会で、民主党の蓮舫議員に「選挙区内で配った"うちわ"が、公選法に違反(同法199条=有権者への物品の寄付禁止)しているのではないか」と、追及されたのだ。

それに対し、「松島法相は終始、しどろもどろで答弁。大臣以前に、政治家としての説明能力の乏しさに、あきれるばかりでした」(国会担当記者)
同法相は以降も、野党議員の追及を「雑音」と暴言。かと思えば、かつて東京・赤坂にある議員宿舎を「税金の無駄遣い」と言っていたにもかかわらず、自身はちゃっかり入居していたことも判明するお粗末さ。
「それでも言い逃れを続ける松島法相に、業を煮やした民主党議員は、公選法違反容疑で東京地検に刑事告訴。10月20日、告訴は受理されました」(前同)
捜査の結果次第では、現役の法相が縛につく事態にもなりかねない状況。
「これに恐れをなした松島氏は、(前記の)小渕氏辞任表明に遅れること数時間。渋々、辞任を表明しました」(自民党中堅議員)
先の内閣改造で"女性が輝く社会"を謳い文句に、5人の女性を入閣させた安倍首相。それが揃いも揃って内閣の"アキレス腱"、政権の屋台骨を揺るがす存在になってしまったのだ。
政治評論家の本澤二郎氏が言う。
「なぜ女性を主要閣僚に抜擢したのかが疑問です。特に小渕氏の場合、政治家として経験が足らず、すべて他人任せ。女性というだけで、大臣に登用した安倍首相の任命責任は重大です」

では辞任した2人以外、残りの女性閣僚3人は、どうなのだろうか?
「残念なことに、これまた、それぞれが問題を抱えています。いつなんどき、小渕、松島両氏と同様、爆弾が破裂してもおかしくない状況です」(前出・デスク)
たとえば、高市早苗総務相はというと……。
「ナチスドイツのシンパと見られる極右団体の男性代表と、議員会館で記念撮影。その写真が広告塔として使われていたことが英国紙ガーディアンに報じられ、欧米メディアから非難されました」(前同)
また、山谷えり子国家公安委員長は、ヘイトスピーチや朝鮮学校襲撃などで逮捕者を出した「在日特権を許さない市民の会(在特会)」幹部と仲良く写真に納まっていたことが判明し、バッシングの嵐に。有村治子女性活躍担当相も"爆弾"を抱えているという意味では同様だ。
「夫婦別姓や女性宮家創設に反対する超保守派で、男女の役割分担を主張し、中絶への慎重姿勢も表明。女性の活躍推進とは、真逆の信条の持ち主です。閣僚以外でも、稲田朋美自民党政調会長も"本当に母乳を飲んでいる赤ちゃんを預けてまで働きたいと思っているのかな"と、女性の社会進出に否定的です」(民主党中堅議員)

野党側は、そんな彼女たちの"矛盾"を追及するべく、虎視眈々(こしたんたん)だという。
そんな23日には、小渕氏の後任である宮沢洋一経産相の資金管理団体が「交際費」の名目で、なんとSMバーに政治活動費を支出していたことが判明。日本中が、あきれ返った。
不安要素だらけの安倍内閣。厳しい局面を一枚岩となって乗り切ろうと考えているのかと思いきや……。
「石破茂地方創生担当相、谷垣禎一幹事長などが、早くもポスト安倍を目指し、水面下で暗躍しているというんです」(前出・記者)
まずは、ポスト安倍の最有力候補として自他ともに認める石破地方創生相は、「先の内閣改造劇で、幹事長職を追われそうだと見るや、安倍首相に反旗。野に下り、反安倍の一大勢力を結集する姿勢を見せましたが、首相周辺から"次はアナタだ"の甘い囁(ささや)きに腰砕けになってしまった」(石破派中堅議員)
結局は、新設の地方創生相という漠然とした大臣職に幽閉(?)されることに。
「それでも安倍政権が揺れる今"時期到来!"とギンギンにボッキ(永田町で"やる気まんまん"の意)しています」(国会担当記者)
先の10月2日には、石破氏と親しい議員で構成される「無派閥連絡会」(事実上の石破派)に出席。
「それまで"同会は石破派ではない"と表向きにはしておくため、石破氏は正式メンバーとして登録してはおりませんでした。それが、この日は一転。石破氏は同会顧問に正式就任したんです」(前同)
これは事実上、無派閥連絡会が、完全に石破派に衣替えをしたことを意味しているのだという。そんな石破氏とは別に、党内の人気が急上昇しているのが谷垣幹事長。政治評論家の浅川博忠氏は次のように言う。
「自民党からは宮沢総理以来21年間、東大卒の総理が出ておらず、一流国立大卒の議員の中から、東大出身である谷垣総理待望論が湧き上がっているんです。また、タカ派の安倍氏がトップだから対中関係がうまくいかないとして、党内リベラル派からもハト派の谷垣氏に期待が寄せられています」
議員たちから熱い視線を浴びる当の谷垣氏は、「総裁になりながら総理にはなれなかった河野洋平氏と同じ道は歩みたくない、との思いが強くあります。だから、遅くとも来年9月の自民党総裁選には確実に立候補。安倍首相に戦いを挑むはずです」(前同)
谷垣氏は現在、「政治の世界は何が起こるかわからない。リベラル層や財政規律派の受け皿になるため、常に出番準備はしておく」と、谷垣派議員に心情を吐露しているという。谷垣派の議員が話す。
「現在は谷垣派(有隣会)の拡大を図り(12年末の衆院選後、新人20人を加えて約40人に急膨張)、毎週水曜日の同派会合にも欠かさず出席。"その時!"に向けて準備は万端。まだ枯れてません」

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