2040年には対日戦争敢行

「極めつけは突然、打ち出した"シルクロード経済圏構想"。この構想は陸路と海路の2つがあります。陸路は重慶を起点に、カザフスタン、イラン、オーストリアのウィーンへと至るルート。海路は広州からインドネシア、スリランカ、ケニア、ギリシャ、そして、ベルギーのアントワープに至るアジアと欧州を結ぶ大規模な経済圏構想です」(前同)

すべては世界の覇権を握るため。規格外の出費でも一切、惜しまないという。
「中国政府は同構想の実現のため、400億ドルの基金を創設すると明言。この金でアジア一帯のインフラ整備を一挙に成し遂げ、周辺諸国の"信頼"を勝ち取るとしています」(北京在住の日本人ジャーナリスト)
札束で頬げたを張る銭ゲバぶり。ここにきて、中国の"世界征服前哨戦"が、着々と成功を収めている例も散見され始めた。
たとえば、膨らみに膨らんだ中国の対外援助(ODA)。先日、初めて公表された『中国対外援助白書』によれば、10~12年の援助総額は893億4000元(約1兆4500億円)と、ケタ外れの巨額だ。

「中国の対外援助が急上昇し始めたのは、07年頃から。援助対象国は計121か国で、地域はアフリカが51か国と最多。次いで、アジアとなっています」(ODAに詳しい外務省関係者)
この対外援助(=金)で、中国は、なびく仲間を増やし続け、政治的影響力を日増しに強めているという。
なかでも、アフリカ諸国への肩入れは異常と思えるほど。11年末時点で、中国の対アフリカ直接投資は累計で150億ドル(約1兆7000億円=JETRO資料)。12年の中国-アフリカ間の貿易額は2000億ドルにも達している。
「すでに援助額では中国は欧州を超え、アフリカ最大の貿易パートナー。"中国マネー"でがんじがらめになったアフリカ諸国が、中国の意向に反して日米や欧州側につくことなど、ありえません」(前同)

この対外援助は軍事面でも効果てきめんだ。前出の防衛省関係者が言う。
「台湾海峡から東シナ海、インド洋に至る地域で、中国海軍の海外拠点作りに役立っています。パキスタンのグワダル港、スリランカのハンバントタ港、バングラディシュのチッタゴン港などは、中国の"軍港"とは言えないまでも、いつでも寄港できる"準軍港"。もはや支配下にあるんです」

これだけではない。
「習主席は米国の"裏庭"と言える中南米諸国にも手を伸ばし始めました。それが、"新パナマ運河建設計画"というものです」(前出・井野氏)
世界物流要衝の一つ、パナマ運河は現在、実質的に米国のコントロール下にあるが、これに中国が対抗。新たな運河建設計画を発表したのだ。
「中米に位置するニカラグアを横断し、太平洋岸とカリブ海沿岸を結ぼうというのが同構想。これが開通すれば、有事の際、米国が軍事管理下に置くパナマ運河を使わないで済む。(反米が多い)中南米諸国に対して、"強烈な物理的プレゼンス"を示すことになります」(前同)
加えて、世のならず者国家と同様、密かに武力での世界征服を目論んでいるという。13年にブチ上げられた戦争計画『六場戦争』がソレだ。
これは国営通信社『中国新聞網』や、中国共産党中央委員会の機関紙『人民日報社』のニュースサイト『人民網』などが報じたオフィシャルなものである。この内容が具体的、かつ強欲でエグい。

「最初に牙を向けるのは台湾。これを"国民統一のための戦争"と位置づけ、2020~25年にかけて戦闘、制圧する手筈といいます」(大手紙外信部記者)
続く28~30年、ベトナムとの間で懸案のスプラトリー(南沙)諸島をめぐる争いに終止符を打つ戦闘を開始。
35~40年にかけては、南チベットを手に入れるため、インドとの間で戦火。
「40~45年には、"中国固有の領土"である尖閣諸島や琉球を取り戻すため、対日戦を敢行」(前同)
同時期にモンゴルに平和裏での合併を持ち掛け、同意しなければ、即座に総攻撃を開始するという。

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