来春から事故分析官を導入!

ますます怒りのパワーを増幅させた鶴田氏は、さらに交通取締り問題の核心に斬り込んでいく!

鶴田「ズバリ聞きますけどね、"交通指導取締り"は、適正に行われているんですか?」

交通取締りを適正化するため、67年8月1日に当時の警察庁次長が、〈いわゆる点数主義に堕した検挙のための検挙、あるいは取締りやすいものだけを取り締まる安易な取締りに陥ることを避けるとともに、危険性の少ない軽微な違反に対しては、警告による指導を積極的に行うとし……〉という通達を出しているが、それから40年が経った今も、"取締りのための取締り"が、盛んに行われていると指摘されている。

A氏「次長通達の思想は、間違いなく生きています」

鶴田「だったら、もっと素晴らしい交通社会が実現しているはずですが、相変わらず、"隠れて行う不当な取締り"で多くのドライバーが苦しめられています」

昨年6月、安倍晋三首相の盟友としても知られる古屋圭司国家公安委員長(当時)が、「歩行者が出て来る危険性もない直線道路で制限速度の20キロ超過を取り締まるのは疑問。取締りは事故防止に結びつくのが大切だ」と、現実に即さない速度規制について苦言を呈し、不当な取締りが多く行われていることを認め、有識者会議を設置している。

A氏「国家公安委員長の発言は、取締りの根拠をちゃんと持てということ。"○○の場所で×時~△時に事故が多い"と分析していれば、その時間に取り締まっても文句は出ませんよね」

鶴田「では、きちんとした分析をやろうとしているんですか?」

A氏「来春、各県警本部に"事故分析官"を新設することが決まっています。この統計・分析によって、"ここの道路ではこの事故が多いから、この取締りをしよう"といった方針を立てるんです。国家公安委員長の発言を受けて、少しずつ変わってきていますよ」

鶴田「そもそも、こうした取締りのための取締りがなくならない原因は、警察のノルマ主義だとも言われていますよ」

A氏「ノルマは、今は絶対にないです。個人に対するノルマはもちろん、都道府県レベルでもありません。ただ、"抑止目標"というのはあります。たとえば、"B警察署は死亡事故を何件以内に抑えるよう努力しましょう"といったもので、そのために管轄内で交通安全教室を開いたり、事故が多い場所にガードレールを設置したりするわけです」

A氏がそう説明する一方で、ドライバーにとっては「本当に必要?」と首を傾げる取締りや対策が多いのだが……。

A氏「やっている側からすれば、必要のない取締りはありません。たとえば、シートベルトの取締りはどこでもやっているものなんですが、取り締まられる側からすれば、"なんで、こんな所で!?"となるわけです。実際、そうしたケースでの苦情はスゴく多いですから、"取締りを外注すればいい"という気持ちがあるのも事実です。それがかなわないのであれば、自分たちの首を絞めるような取締りはやめるべきです」

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