進次郎に次ぐ石破の党内人気

第2次安倍内閣発足時(12年12月)、石破氏を幹事長職に就けたものの、選挙公認権や党資金の差配は大幅に制限。
また、第2次安倍改造内閣では、いつ成果が表れるともしれない地方創生担当相に配し、浮上の芽を摘み取った。
「安倍首相は、これで石破氏の手足を完全に縛ったとして、"もはやライバルではない"と一人、ニンマリでした」(安倍首相に近い自民党議員)
一方、一敗地にまみれた格好の石破氏だったが、ここにきて石破シンパ議員が集まる無派閥連絡会を結成。自身が顧問に就任して(10月)、名実ともに石破派を旗揚げ(=反安倍の狼煙)。決起の時を今や遅しと手ぐすねを引いている。

だが、ヤケを起こしているのではない。"確証"があるのだ。
「今回の選挙戦でも、石破氏は圧倒的な地方人気を見せました。自民党内で、遊説のオファーが一番多いのが小泉進次郎復興大臣政務官で、次が石破さん。愛想もいいし、喋りも立つ。しかもキャラが濃いから目立つ、ということでしょう」
と言うのは、自民党選対幹部。アベノミクスで潤う都市部&富裕層に反して、各地方&庶民層は、やはり石破シンパ。しかも、さらに勢力を伸ばしているというから驚くばかりだ。
「一方で、安倍首相は、"呼んでもないのに来る"とまで言われ、現場での評判は良くない。総裁選でまた両者がぶつかれば、石破さんが勝利する可能性も十分ありえますよ」(前同)

安倍首相、大ピンチ!
しかも敵は一人ではない。
かたや、谷垣禎一幹事長も、柔和な表情とは裏腹に、総理の座への執念を日増しに強めるばかりだという。
政治評論家の浅川博忠氏が言う。
「安倍内閣が突き進む右傾化路線に対して危惧を抱く自民党ハト派の面々は、首相と同じタカ派の石破氏より谷垣氏のほうが支持しやすいと、次々に谷垣氏に熱視線を送り始めています」
具体的には、いまだに自民党で隠然たる影響力を誇る野中弘務・元幹事長、古賀誠・元幹事長ら自民党の長老グループ。さらには、自民党リベラル派、財政規律派の面々だ。また、中曽根康弘・元首相も谷垣氏を推しているという。

谷垣氏は今日に至るまで、闘志を燃やし続けている。
「第2次安倍内閣発足時に、重要ポストである衆院議長を打診されました。しかしながら、谷垣氏は即座に拒否。その心は、総理の座を諦めていないとの意思表示です。毎週水曜日の派閥会合にも、積極的に出席しています」(前同)

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