熱い鍋物や飲み物は避ける!

「両親ともにタバコを吸う家庭で12年過ごした子どもが、成人してから肺がんになる確率は、両親が吸わない子どもの2倍になるというデータもあります」
子どもを育てながらの喫煙は、虐待に等しい行為だと岡田氏は指摘する。
さらに、肥満や運動不足、そして長時間座りっぱなしの仕事も、重大な発がん要因であることがわかってきている。
「肥満(BMI30以上※)でリスクが高まるのは大腸がん、食道がん、肝臓がん。運動不足では肺がん、大腸がんなど。メカニズムもわかってきました」
※BMI(肥満度)=体重[kg]÷(身長[m]×身長[m]) この数値が30以上は肥満

元米国イリノイ工科大学助教授(薬学博士)で、3月17日に著書『がん治療の最前線 もしあなたや大切な家族ががんと診断されたらどうすべきか』(サイエンス・アイ新書)を上梓する生田哲氏がこう続ける。
「逆に、やせ過ぎ(BMI18.5未満)も、がんのリスクは高いんです。それは栄養不足などで自己免疫力が落ちるためでしょう。実は、標準(18.5以上、25未満)と肥満の中間の、少し太っているぐらい(25以上、30未満)のカテゴリーが、発がん危険度が最も低い。その群がなぜか一番、免疫力が高いんですよ」

では、危険な食事は?
「ハムやソーセージなどの加工肉は最悪です。さまざまな添加物が入っていることが理由ですが、なかでも発色剤として使用される亜硝酸ナトリウムと、肉に含まれるアミンが結合して、ニトロソアミンという発がん物質が生成されることは有名です」(生田助教授)
フライや揚げ物なども、肥満の原因になることから要注意だ。また、自然食品でも、しょっぱい物、熱すぎる物はなるべく食べないこと。厚労省担当記者は、「塩分の摂り過ぎは胃がんのリスクを高めると考えられ、世界保健機関(WHO)が1日5グラム以下と定めています。でも現在も、日本人は、その倍は摂っています」と言う。

また生田助教授は、
「熱も正常細胞を刺激し、異常増殖=がん化させる危険があります。特に熱は食道がんのリスクを高めます。50度を超えた熱い鍋物や飲み物は控えるべきです」

一方の岡田氏は、同じ食品を毎日のように摂ることにも注意を促す。
「偏食は、有害な添加物を日々大量に摂る可能性があることから、発がんリスクを高める恐れがあるんです。同じ物を食べるなら、違うメーカーの物に変えるなどの工夫が必要です」
飲酒も限度を超えるとリスクを高めることは、ご存じだろう。限度は1日当たり、日本酒なら1合、ビール大ビン1本、焼酎1合の3分の2、ウイスキーはダブル1杯ほどという。

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