レスラーとして現役を引退後も、その抜群の知名度とカリスマ性で、プロレスや格闘技会だけでなく、国会議員としても光を照らし続けるアントニオ猪木。
先日発売された「俺たちのプロレスvol.3(双葉社スーパームック)」では、アントニオ猪木と関係のあった11人のレスラーの証言を集め、「平成のアントニオ猪木」をテーマに、燃える闘魂のカリスマたる所以を特集した。
なぜ人々はアントニオ猪木に惹きつけられるのか。今回は、その中から一部を抜粋して紹介したい。

第一回目は、総合格闘技UFCで活躍ののち、プロレスラーに転身。平成10年4月、東京ドームで行われた引退試合で対戦したドン・フライのインタビューからお届けする。


「イノキさんと出会って、そして東京ドームで対戦できたことは、とてもグレートな経験だ」

PROFILE ドン・フライ(Don Frye)
1965年11月23日生まれ。総合格闘家としてUFCの黎明期を支える。その後、1997年には新日本プロレスに参戦。アントニオ猪木の引退試合の相手も務める。PRIDEにも参戦して、髙山善廣とも対戦。火花が散るような壮絶な殴り合いは世界中のファンの度肝を抜いた。


──今回はアントニオ猪木の大特集ということで、猪木最後の対戦相手であるドン・フライさんに、猪木さんについての話をうかがわせていただこうと思います。

フライ イノキさんの特集号のインタビュー記事かい? とても光栄なことだな。それじゃ、電話インタビューを始めようぜ!

──よろしくお願いします。フライさんは、UFCファイターからプロレスラーになりましたけど、もともと子どもの頃からプロレスファンだったんですか?

フライ 俺とプロレスとの出会いは、5~6歳の頃だな。バージニアに住んでいた俺のお祖父さんの家のテレビで初めて観てね。その頃からプロレスのファンになったんだよ。

──そんな小さな頃からのファンだったんですか。

フライ 俺は子どもの頃から、毎日、荒野を駆け回ったり、馬に乗ったりして遊んでいて。友だちと取っ組み合いのケンカなんかもよくしていたから、大きな男たちが闘うプロレスにすぐ惹かれたんだよ。

──ちなみに、小さい頃は誰のファンだったんですか?

フライ 当時のスーパースターたちさ。テリー・ファンク、ブルーノ・サンマルチノ、スーパースター・ビリー・グラハム、リック・フレアーたちのことは好きだったし、憧れだったね。
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