遅延も当然の“物量と要求”!
怒号飛び交う大混乱の空港&機内一部始終


海外旅行の玄関口である空港。そこは、"爆買い観光客"の本性が凝縮された場所でもあった。
空港や航空会社をも焦らせ、ダイヤまで動かした衝撃の一部始終。

北海道の玄関口、新千歳空港の出発ロビーに、人の背よりも高く積み上げられた無数の段ボール箱の塔。それは、運送会社の倉庫かと見紛うばかりの光景。
この段ボールは、すべて中国人観光客が自国に持ち帰ろうとするお土産。中身は多種多彩で、一般的な地元銘菓に加えて、北海道の特産物である干し貝柱や昆布、さらには米まである。
なかには、炊飯器10個を積み上げる人もいれば、木箱に氷とともに詰められた尾頭付き生鮭やカニなどの生鮮海産物を20箱以上も運ぶ強者もいる。

しかし、ここで問題になるのが個数・重量制限だ。旅行代理店社員が話す。
「通常の航空会社のエコノミークラスでは、無料で預けられる荷物は20~23キロのものを一つというのが一般的。航空会社にもよりますが、それ以上の個数や重さの荷物は、預けるのに追加料金がかかるんです」
この料金を少しでも安くしようと、中国人側もあの手この手を使う。

「2つの箱をガムテープでくっつけて"これは1つの荷物だ!"と叫ぶ人がいれば、おもむろに箱を開けて中から取り出した干し貝柱をポケットというポケットに詰め込む人も。さらには、鮭やカニの木箱から氷を出してその場に捨て始める人までいたんです。こうした度を越えた物量と要求に、航空会社も対応に四苦八苦。数便が遅延してしまいました」
飛行機が離陸してからも、暴走は止まらない。
座席上部にある、手荷物置き場を巡って怒鳴り合ったかと思えば、窓から外の景色が見える見えないでつかみ合いになった事案も。

また、日本人にとって駅弁が鉄道旅行に欠かせないように、中国人にとって旅行に欠かせないのがカップラーメンなのだが、
「中国系航空会社の機体には、カップラーメン用の給湯設備があるんですが、他の国の会社ではそうもいきません。結果、客室乗務員に沸かしてもらったお湯を客同士で奪い合い、殴り合い寸前の喧嘩まで起きた便もありました」(航空会社関係者)
単なる"文化の違い"では割り切れない。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4