青井「イチロー選手は途中で背番号を変えましたが、そういえば、パンチさんも背番号を45番から90番に変えましたよね」

パンチ「結果を残していないのに結婚もした。“いっぱい活躍できるように”という思いを込めて2倍にしたの。上田監督時代に3割3分3厘を打ったけど、監督が替わり、2、3、4年目は出場機会に恵まれなくて……。“違う監督の元でやって、それでダメなら辞める”と決意した矢先に仰木監督が就任。“それなら”と思い、番号の変更を考えたんだ」

青井「ところで、“グリーンスタジアムに集まった12万8641人の皆さん”という、パンチさんの有名なヒーローインタビューがありますよね」

●「12万8641人の皆さん」そして「下痢するまで飲みます!」

パンチ「お客さんがガラガラだったから“大勢のお客さん、来てね”という意味があった。これは勿論、冗談で言ったんだよ。実はこの日の試合、某銀行から懸賞が出ていた。活躍した選手が50万円の商品券を貰えるというね。試合が始まったら、ブーマーは4打席4安打でオリックスのワンサイドゲームだった。と、思いきや、その日の(対戦相手)ダイエーホークス(現・福岡ソフトバンクホークス)は50万円の商品券がチラついたのか諦めない。6点差を追いついた。で、終盤、オリックスがラストチャンスとなり、よもやの“代打・パンチ”。打ちましたよ、走者一掃の2ベース。乱打戦に終止符を打つ殊勲賞。“ヤッター!”と思ったや否や、“ピンチランナー”……。“え~”と思いながら、ベンチへ」

久保「あははは。千載一遇のチャンスでの殊勲打が……。それで、どうなりましたか?」

パンチ「大丈夫、ゲットしましたよ、50万円の商品券。その時のヒーローインタビューが“12万……”。その続きがあって、“今日は下痢するまで三宮で飲むぞ~!”があるんです。これはその日、観戦してくれた彼女(奥様)が眼前の金網越しにいて、彼女に対して言ったわけ。これが真相。ただ、当たり前のセリフを吐くのに、僕は違和感を抱くんです。“プロなら、もっと気の利いた発言をしなくては”と感じているんだ。お客さんに分かりやすく、自分の感情を伝えた方がいい」

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