「こいつらどうなってんだ」公共放送にあってはならぬ問題が続発中! 迷走する"組織の内情"を告発する!

"みなさまのNHK"に、スキャンダルが続出している――。
"事件"が明るみに出たのは、3月16日のことだった。NHKの内部告発により、籾井勝人会長による公費の私的流用が指摘されたのだ。
「1月2日、会長は東京・渋谷区にある自宅から小平市の小金井カントリー倶楽部にプライベートのゴルフに出かけた際、その往復ハイヤー代4万9585円をNHKに"つけ回し"していた疑惑が浮上したんです」(全国紙社会部記者)

NHKの予算は大部分が、国民からの受信料でまかなわれている"公金"。それを会長自ら私的に流用していたとなれば、言語道断。
まさに、"NHKの私物化"との指摘も免れない事態だが、さらなる世間の怒りを買ったのは、発覚後の籾井会長の見苦しい言い訳の数々だった。
「籾井会長は16日の参議院予算委員会で、"最初から自分で払うつもりだった""請求書がきて金額がわかった時点で払った"と発言しましたが、会長が代金を支払ったのは、監査委員会が内部告発を受けて調査を開始し、支払いを促した3月9日だったことが明らかになっています」(同記者)

にもかかわらず、籾井会長は18日の民主党総務・内閣部門会議では、"ルールを犯していない"と発言し、しらばっくれる始末。19日には、監査委員会が調査結果を報告したのだが……。
「報告書では、ハイヤーの乗車伝票には、"外務対応業務"と記され、会長の業務に伴う支出として経理処理したことを認めたものの、その伝票は秘書室職員が作成し、その職員が勝手に会長のサインをしたという内容でした」(同)

しかし、民主党議員がサインは本当に職員のものだったのか、確認するよう監査委員に求めると、"筆跡鑑定はお金も時間もかかる"と逃げの一手だったという。
「朝日新聞の報道では、伝票には籾井会長自らのサインがあったとされています。真実は定かではありませんが、秘書室に責任転嫁して、切り抜けようとする魂胆が見え隠れします」(同)

真相は闇に葬り去られようとしているが、NHKの関係者は「籾井会長は確信犯だ」と指摘する。
「秘書室は公費の私的流用に関して、NHK内でも一番敏感な部署。そこの人間が今回のようなずさんな対応をするはずがないという声が、NHK内でも多数上がっていますよ」
さらに続けて、こう説明する。
「ハイヤーの私的利用など、民間企業なら許されることでも受信料で成り立つNHKでは、許されないことがたくさんある。そのため、民間出身者が会長になる場合は、公費流用に関する規定を秘書室が特に詳しく説明するんです」

昨年1月、籾井会長就任時にも同様の説明がなされたというが、その話を聞いている際、終始、渋い顔をしていたという。
「それがあってかどうかは定かではありませんが、この秘書室長はすぐに更迭。後釜には、籾井会長の三井物産時代からの旧知の人物が据えられました。今にして思えば、公費を自由に使えないことに憤懣やるかたなしの心情だったのかもしれません」(同)

元NHKディレクターで作家の小中陽太郎氏が呆れ顔で言う。
「個人商店の社長ですらコンプライアンスが求められる時代に、NHKの会長がハイヤーの私的流用したとなれば、経営者としても公人としても失格です。NHKは国民から受信料をいただいて成り立っている組織です。なので、一般企業より厳しい倫理観が課せられます。それを認識せず、公私混同とは……悲しいですね」

現在も国会で紛糾するハイヤー問題だが、"籾井疑惑"は、これだけではない。
意に沿わぬ人物をパージし、公費の私的流用どころか、局自体を"私物化"しようと籾井会長が乗り出した、ともっぱらなのだ。
その典型的な事例として囁かれているのが、夜の報道番組『ニュースウオッチ9』で、5年にわたってメインキャスターを務めてきた大越健介アナが突然、3月いっぱいで降板するという不可解な人事だ。
「キャスター人事は例年、秋口に幹部たちによる『キャスター委員会』の場で決められていました。その場では、次年度も大越アナ続投で異論は一切、出なかったと聞いていたんですが……」(NHK記者)

それが、突然の交代劇。この大越アナは安倍政権が押し進める原発問題や情報統制について、わかりやすい言葉で解説。視聴者に人気のキャスターだった。
「ただ、その解説が往々にして、安倍政権にとって"後ろ向き"と映っていたのも事実です」(同記者)

たとえば昨年2月、福島第一原発を訪れた際、番組内で大越アナは、
〈再稼働の申請が相次いでいますが、自然は遥かに人間の想定を超える力を発揮し得るという教訓に立ち、慎重なうえにも慎重な安全確認が行われなければならない〉
と発言し、原発再稼働に突っ走る安倍政権に警鐘を鳴らしたこともあった。

「影響力ある番組の人気キャスターの発言に、安倍官邸は嫌気が差していたようです。水面下で、NHKに交代を要求していたと言われています」(同)

籾井氏はご存じ、首相の"お友達"であり、その強力な後押しで、NHK会長職に就いた。「その籾井会長が官邸の意を汲み、今回の突然の大越キャスター降板劇を仕組んだのでは、と言われているんです」(同)

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