"ねぎま"がある店を選ぶべし

とはいえ、「うまい店、まずい店」で大きく味が変わってくるのも事実だ。うまい店は見分けられるのか? 
外食産業のスペシャリストで、食品安全教育研究所代表の河岸宏和氏は、
「(27)メニューにねぎまがない店は怪しい確率が高い」
と指摘する。

「(28)居酒屋などでは、タイや中国製の"冷凍焼き鳥"を出している店も多いんです。ねぎは冷凍に不向きで、冷凍焼き鳥を使う店には、まず置いていないんです」
香ばしく焼けた鶏、ねぎのアンサンブルは芳醇。そりゃウマいに決まってる!

一方、名古屋コーチンや比内地鶏など(29)ブランド地鶏使用を過剰にアピールしている店も安心できない。
「(30)ブロイラーは生後50~60日で出荷されますが、地鶏は80日以上と日本農林規格(特定JAS)で定められています。コクのある旨味、歯ごたえが楽しめますが、(31)地鶏は肉がしっかりしていて、ブロイラーより高度な加熱技術が求められるんです。店頭に"◯◯地鶏"なんて大きな看板を出して、鶏のブランドで集客を狙っているような店は、技術が伴わない見かけ倒しであることもなくはないです」(土田氏)

無条件に権威を信じるな! (32)ブロイラーでもウマいものは十二分に絶品だ。
「ブロイラーでも、鮮度や焼きに自信のある店主は、堂々と"うちはブロイラーだよ"と言ってくれますし、実際、おいしく食べさせてくれます。ブランドに飛びつくのではなく、自分の舌で判断をしたほうがいいでしょうね」(同)

見かけ倒しといえば、"白レバー"にも要注意だ。美味なる逸品に違いないだろうが、(33)いつ行っても白レバーがある店は怪しい。
「(34) 白レバーは夏場以外では、40羽さばいて1羽に出るか出ないか。町の居酒屋などで、年中途切れることなく提供できるはずもないので、解凍品か、普通のレバーを偽って出しているかのどちらかでしょう」(前出のグルメ誌ライター)
食への冒瀆、許すまじ!

他方、店の外見からわかることもある。
「いい店の条件ですか? まず(35) 店に活気があること。ある程度、換気扇まわりは仕方がないとして、カウンターなど(36)お客さんが触れる大事な場所がキレイで大将の服装も清潔なこと、隠すことなくオープンキッチンで(37)焼きを見せていること」(土田氏)

ポイントは「活気、清潔、焼き場」。それに、焼き鳥は「串打ち三年、焼き一生」と言われるほど(38)焼きが命でもある。
「(39)いい焼鳥屋さんは、焼き場の職人がコロコロ変わらない。"焼き場は、そう簡単にゆずらねえ"くらいにこだわるオヤジがいる店は、まずハズレがありません」(同)

店は人が作るもの。渋い顔をした人間が黙々と炭を睨む姿は、まさに"職人の鏡"。繊細な気遣いが必要なのだ。

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